「で?誰なんだよ好きな人ってやつは」
きり丸がすごくダルそうに団蔵に聞いた
きりちゃん…
そんなダルそうにしなくても………
「聞きたいか?」ドヤァ
「また飛び蹴りか?」
「すいませんでした」
きりちゃんが団蔵に笑顔でおどすと団蔵は素直に謝って土下座をした
団蔵…………
それでいいの…?
「で、結局誰なの?」
兵太夫もなんだかんだで団蔵の好きな人が気になっていたらしい
イライラしながら団蔵に聞いていた
「まあまあ。そんなに焦るなって!聞かせてやるから!」
「話すなら早くしてよ。僕、人待ってるんだから」
「庄ちゃん……相変わらず冷静ね…」
そうして団蔵は語り始めた。
……なんで語る意味が?
そう、それは俺とあの子が出会うのにふさわしい天気だった―…
「なにこれウザい」
「てゆうか今日って言えばいいのに」
「兵太夫!三ちゃん!」
うっさい!いいんだよ!
ごほんっ!まあ、それで俺は裏庭で彼女に二股がバレて問い詰められていた
「うわぁ…最低だなお前」
「団蔵なんか死ねばいい」
「金吾に言われちゃお前おしまいだな。」
……………それで俺は一生懸命謝ったけど当然彼女もキレてて許してもらえなくて、彼女は最後に俺に平手打ちをしてその場から去って行った
「当たり前だよねぇ」
「団蔵はおバカだから〜」
「しんべえ、喜三太しーっ!ホントのことでも言っちゃダメだよ」
「乱太郎それフォローになってないよ」
…その時だ!
俺が平手打ちされた場所を押さえていると、天使のような声が聞こえたんだ
「大丈夫ですか?」
天使のような女の子がそう言いながら濡れたハンカチで俺のほっぺに当ててくれた
そして俺は恋に落ちた
《単純だな/ね》
団蔵の話が終わるとみんなは一斉に同じことを言った
「は?俺の素敵な出会いになんてこと言うんだ!」
「で、その子の名前は?」
一人冷静な庄ちゃんは団蔵の言葉を無視してそう聞いた
「……………わかんない」
《は?》
…え?好きな子の名前もわかんないの?
「だって名前聞く前にどっか行っちゃたんだもん!」
「もん、とか可愛くないから。つーか俺たちに好きな人のこと言ったのって………」
「一緒に探して☆」
………団蔵……………
きり丸と兵太夫の目が怖いよ
三ちゃんのあのいい笑顔
虎若と金吾は呆れてるし、庄ちゃんとしんべえと喜三太なんてすでにどうでもよさそうだし………
「団蔵」
「乱太郎手伝ってくれるのか?」
「………御愁傷様」
「え?」
「「「団蔵?」」」
「は?」
「「「成敗☆」」」
うぎゃぁぁあぁぁあぁああ
なーむ……
団蔵がきりちゃんと兵太夫と三ちゃんにボコられてるのを見てると教室の扉が開いた
「なにこれ?どうしたの?」
『庄ちゃん!乱太郎くん!』
そこには伊助と私と同じ委員会の皐月ちゃんが立っていた
「見つけた……」
「……え?」
「お前の好きな子って………」
「団蔵ドンマイ☆」