『うわー。全然変わってねぇや。懐かしいじゃん。』


目の前にある校門には“青春学園”と掲げてあった。

やべぇ。中学戻りてぇわ。

つーか視線感じんだけど。

俺が視線を感じる方へ目を向けると何人かの女の子グループがこっちに視線を向けていた。

俺が女の子たちに笑顔を向けると、女の子たちはこちらに近寄ってきた。


「あのぅ、高校生ですよねぇ?なんでここにいるんですかぁ?」


そのグループの中でもリーダー的存在だと思われる女の子が話しかけてきた。

めんどくせーな。
テニスコート行きてぇのに。
とりあえず、適当にあしらってテニスコート行くか。


『あぁ。ちょっとした用事があってさ。』

「用事ってぇ何の用事ですかぁ?」


そこまで聞くのかよ。
早く行かねぇと部活の時間終わっちまうんじゃねぇか?


『テニスコートまでちょっと、な。』


俺はそう言うと、そのまま女の子たちから離れてテニスコートへ向かった。

なんか後ろから女の子たち着いてくるけど無視だ。無視。


パコーン パコーン
『おー、やってる。やってる。』


俺がテニスコートへ着くと俺がいた頃と同じようにテニスをやっていた。


「なにアンタ。」


俺がテニスコートを見てると小さい男の子が俺に話しかけてきた。


『あ?お前テニス部か?』

「聞いてるのはこっちなんだけど。」


うぉっ。生意気だなぁー。
まぁ、中学生ってこんな感じだよな。うん。


『わりぃ、わりぃ。俺の名前はどうでもいいとしてお前テニスやんだろ?俺とやんねぇか?』

「…アンタ強いの?」

『まあ、青学のやつらの中じゃぁ一番つえぇかな?』

「ふーん。やってもいいよ。」


よしよし。
アイツもまだいなそうだし別にいいよな。


『じゃあ、始めよーぜ!』


俺はそう言ってニヤリと笑った。


……
……………………


「ゲ、ゲームセット!」
《きゃぁぁあああ!!かっこいー!》


うっせ。
ちょっと女の子がうっせーな。


『いやー。お前も強いなー。俺もびっくりしたよ。俺の弟と同じくらい強いんじゃね?』


「はぁ…っ!アンタ、何物………っ?」

『あぁ!言ってなかったな!俺は「兄さん!!」…あ、やべ』

「は、…?部長?」


国光来ちまったじゃねぇか。
アイツ説教なげーんだよな。


「おや、彰人じゃないか。」

『あっスミレちゃんじゃん。久しぶりー。』


おぉ。スミレちゃん久しぶりだな。


「なんだい。来てたなら言ってくれればいいじゃないか。」

『いやー。言おうとしたんだけど、この帽子の子と試合したくなっちまってよ。』

「そうかい。アンタがそんなになるなんて珍しいじゃないか。」

『俺もそう思うー。』


いやー。ホント楽しかった。


「兄さん…………」ゴゴゴ


あっ……やべっ
忘れてた。


「なんで兄さんがここにいるんですか?!兄さんが来ると騒がしくなるんです!自分の容姿を自覚してください!前にも言いましたよね?学校には絶対に来ないでくださいって!なんで来たんですか!それより兄さんは今テニスの合宿中ではないのですか!?なんでここにいるんですか!だいたい兄さんはいつもいつも……………ぶつぶつ」


うげぇ。国光の説教始まっちまったよ。


「聞いてるんですか!」

『ハイ……聞イテイマス』


なんで俺、弟に正座させられて説教されてんだろ…



「……先生。あの人って何物なんスか?」

「アイツは手塚彰人。手塚国光の正真正銘の兄さ。」

「………似てないッスね。」

「似てるところもあるんだよ。」

「今度は勝つッス。」


↑↓


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -