キーンコンカーンコン
はぁ…
やっと授業終わった

俺は部活に行くためにテニスバックを肩に背負うと、昇降口に向かった。

ガヤガヤ

?なんか正門が騒がしいんだけど。

「おっ!越前!」


俺が騒がしさに眉をひそめていると堀尾がこちらにやってきた。


「…なんでこんなにうっさいの?」

「なんかよー正門にすっげぇ美人がいるんだってよ!」


……美人?そんだけでこんなにうっさいの?


『あっ!リョーマ!』


人がたくさんいた場所から1人の人が飛び出すと俺に抱きついてきた。

…は、?なんで葉月がいんの?
てゆうか、みんなこっち見すぎじゃない?


「…葉月ってアメリカにいるんじゃなかったけ。」

『リョーマのばかぁ!私はお姉ちゃんだよ!お姉ちゃんって呼びなさい!』

《お姉ちゃん?!?!》


うっさ。
驚きすぎでしょ。


「え、越前…お前姉貴いたのか…?」

「悪い?」

『リョーマのお友達?私、葉月って言います!よろしくね?』


葉月がそう言って笑うとその場にいる全員が顔を赤くした。

…おもしろくない。


「で、なんでここにいるの?」

俺は葉月の顔を他のやつらから隠すようにすると、葉月になんでここにいるかを聞いた。


『あのね!リョーガがひどいの!私がリョーマに会いに行こうとするとダメーって!だから1人で来ちゃった!』

「あっそう……」


それだけの理由で来たのか…
なんか力が抜ける…


「てゆうか、俺もうそろそろ部活に行かないとマズいんだけど…」

『えーっ!私もリョーマと一緒にいたかったのにぃ……』


はぁ…
また周りのやつら顔赤くしてるし…

俺は周りにいたやつらをおもいっきり睨みつけると、周りのやつらはほとんどいなくなった。


『私帰らなくちゃダメ…?』

「わかったから。部長に聞いてみる。」

『わぁーい!リョーマ大好き!』

「はいはい」


葉月と一緒に部室まで行くと、近くにいた部長に葉月が一緒にいていいか聞いてみる。


「越前のか…練習の邪魔をしないならいい。」

「だって。」

『やったー!えーっと手塚くんだっけ?ありがとね!私は葉月って言います!リョーマのことこれからもよろしくね!』

「いや、こちらこそよろしく頼む。」


…恥ずかしいんだけど。



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『リョーマお疲れ様!ドリンクとタオルね!』


部活が終わると葉月はタイミングよく俺にドリンクとタオルを渡してくれた。


「ん。ありがと。」

『全然いいよー?それにリョーマ強くなったね!』

「……それでも葉月には叶わないし。」


葉月はテニスが俺より強い。
てか、ぶっちゃけ俺の家族の中で一番強いかもしれない。


『お姉ちゃんはまだまだ弟には負けませんもーん。』

「…絶対負かしてやる。」


俺たちが話してると、先輩たちがこっちにやってきた。


「おっちびー!俺たちにも紹介しっろよー!」

「うげっ。菊丸先輩…不二先輩たちまで……」

「僕も紹介してもらいたいな。」

「(最悪だ。)」

『私は越前葉月って言います!リョーマのお姉ちゃんだよ!よろしくね?』


あーあ……
やっぱり先輩たちにバレたか…


「俺は菊丸英二だにゃ!よろしく!」

「僕は不二周助だよ。よろしくね。」

『よろしくー!』


菊丸先輩ならまだしも不二先輩なんか獲物を狙う目なんだけど…


「そういえば、葉月ちゃんって越前とはなんで離れて暮らしてたの?」


俺が不二先輩対策をしてる間に話は続いてたらしい。


『私の双子の弟がリョーマに会わせてくれなかったんだよー…。もう高校生なのにお姉ちゃん離れ出来ないんだもん。』

「「……高校生?」」

『?うん。』


…葉月って高校生に見えないからね。
先輩たちみんな驚いてるし。


「葉月!!」

『あれ?リョーガ?』

「お前…」

『落ち着け落ち着け』

「ちょっと俺と話そうか…?」

『やぁぁぁああああああ!!』


葉月は叫び声をあげてリョーガに連れていかれた。

「じゃ、俺ももう帰るんで。」


先輩たちはみんな呆然としてたけど、そんなのを無視して俺は葉月たちを追いかけるようにして帰った。


先輩たちに葉月は渡さないからね。



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