これからわたしは貴方の物



『テツくん、だあいすき!』
「僕は愛してますよ。」


わたしが大好きって言うと、テツくんはわたしにそれ以上の言葉をくれる。

大好き以上の言葉。

大ちゃんのときには知らなかった、甘い気持ち。
きっと、大ちゃんはわたしのこと玩具だと思ってたんだよね。だから、すぐ捨てちゃったんだ。

でもでもでも、テツくんはね、わたしを愛してくれるの。
朝起きたら、おでこにキスしてくれて、学校に来る時はギュッてわたしの手を絡めてくれるの。あとね、一緒に寝てくれるし、抱き締めてくれるし、キスもしてくれるし、優しくしてくれるの。

だいすきだいすき。テツくん、だいすき。
ううん、あいしてるの。
世界で一番あいしてる。

あ、でも、テツくんがわたしの世界だから、一番もなにもないや。


もう家には帰らない。
わたしを愛してくれない家は嫌い。
テツくん以外の人はいらなあい。


「じゃあ、同棲しましょうか。」
『どーせい?ずうっとテツくんといれる?』
「はい。一生、僕と一緒ですよ。」
『やったあ!嬉しい!テツくんと一緒好き!』


ギュッとテツくんに抱き着く。
とくとくと、テツくんの心臓の音はわたしを落ち着かせてくれる。


「あ、部活は続けますか?」
『うーうーん!続けなあい!だって、テツくんは、わたしが部活続けるのイヤでしょ?』
「できれば、辞めてほしいです。」
『だから、やめるの!』


世界の“お願い”だもん。
叶えなくちゃダメだよね!

あれ?そういえば、なんでわたしは、バスケ部のマネージャーやってたんだっけ?


『?』
「ゆづる?どうかしましたか?」
『うーん?思い出せないから、いっか!』


わたしの頭を優しく撫でてくれるテツくんの胸板に顔を擦り寄せながら、たくさんたくさん甘えた。




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