←
始まりは、私が殺されたあの瞬間。
違う。きっと、私が信じる心を失ったとき、すべて始まったんだよ。
ふわふわと浮かぶ意識の中。
暖かい、このぬくもりに溢れる場所がとても心地いい。
優しい優しいこの場所にずっと眠っていたい。
ぐるぐると、頭の中をたくさんの記憶が廻る。
優しい記憶、辛い記憶、楽しい記憶、悲しい記憶。
すべての記憶が私の中でぐるぐると廻る。
ソッと、目を閉じようとする。
「心愛!」「心愛!」「心愛!」「心愛!」
「死ぬんじゃねぇ!」
ああ、だれも私を起こさないで。
私はたくさん罪を犯しました。
もう、きっと赦されない。
復讐、したかった。
私を殺したあの子に。
でも、本当に復讐したいのは、人を信じられない、人を愛せない、自分自身だったの。
最後の審判次
87/90