始まりは、私が殺されたあの瞬間。
違う。きっと、私が信じる心を失ったとき、すべて始まったんだよ。

ふわふわと浮かぶ意識の中。

暖かい、このぬくもりに溢れる場所がとても心地いい。
優しい優しいこの場所にずっと眠っていたい。


ぐるぐると、頭の中をたくさんの記憶が廻る。


優しい記憶、辛い記憶、楽しい記憶、悲しい記憶。

すべての記憶が私の中でぐるぐると廻る。
ソッと、目を閉じようとする。


「心愛!」「心愛!」「心愛!」「心愛!」

「死ぬんじゃねぇ!」


ああ、だれも私を起こさないで。

私はたくさん罪を犯しました。
もう、きっと赦されない。

復讐、したかった。
私を殺したあの子に。

でも、本当に復讐したいのは、人を信じられない、人を愛せない、自分自身だったの。







最後の審判



 
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