「貴女、一体なんなのよ」
私の目の前に立つ有澤さんにクスリと嗤う。
あぁ、私はもう狂ってしまったみたい。
『なにって…なにがですか?』
「っ!とぼけないで!貴女は所詮異物なのよ!テニス部を狂わせて何が楽しいの!」
『ふっ……あははははは!』
嗤う、嗤う。狂ったように嗤う。
「なにがおかしいのよ!」
『だって、有澤さん私のこと異物って言うんだもん。有澤さんの方が異物なのに。』
「私のどこが異物なのよ!」
『異物だよ。だって私、有澤さんがどうやってこの世界に来たのか知ってるもん。』
全部全部、七坪くんに教えてもらった。
「な、なんのことよ。」
『人殺し。』
嗤いながらそう言うと、有澤さんは大げさにビクリと身体を震わした。
『ねぇ、有澤さんは私が嫌い?私を邪魔する?』
「……嫌い、嫌いよ!邪魔してるんじゃない!救ってるの!私が人殺しなんて嘘つかないで!」
『嫌い、で邪魔するんだぁ…』
ポツリと呟く。
じゃぁ、私は貴女も許さない。
『私は、あの子に復讐するの。貴女が邪魔するなら赦さない赦さないんだから。私の邪魔するなんて、絶対に赦さない。』
有澤Side
意味わかんない。
私が知ってる跡部心愛はいっつもオドオドしてて、テニス部を惑わしてて、
例えるならぶりっ子で売女のような女。
「あんた…誰よ…」
『?誰って?私は私だよ。とにかく、私の邪魔はしないで。邪魔したら赦さないんだから。』
そう言って女は私に背を向けてどこかに向かった。
恐怖。
それがあの女を前にしたときの私の感情だった。
意味わかんない!ムカつく!
一人残された場所でドンと力いっぱい壁を叩く。
ムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつくムカつく!!!!!!!!
あいつらはただ私の玩具なんだよ!
私の思うように動いてればいいんだよ!
「夏香?」
ガンッガンッと壁を殴っていると、私を呼ぶ声がして思わず振り返る。
すると、そこには私と同じ方法で、私の共犯者が立っていた。
「!上総…あんたあの女に私たちがどうやって来たか言ってないでしょうね…」
「?言うわけないじゃん。つか、あの女って誰だよ。」
「そう…それならいいのよ。」
「ふーん。」
意味がわからないと顔に書いてある上総の横を通り抜ける。
そのときに、一言忠告してから私は自分の仕事をしにテニスコートに戻った。
だから、私は知らない。
上総の顔が憎しみと怒りに染まっていたことを。
「もし言ったらあんたを殺す、ねぇ。……ふざけんじゃねぇよ。」
I am the same as you, too
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