走ってついた先はあの子のいる青学だった。
無意識にあの子のいるところに走った私に気付いて、自分はまだ復讐心を忘れてないんだって安心して嗤った。

ふと、あの子を見ると、休憩に入ったみたいでドリンクを渡していた。
あの子の顔はすごく輝いていて、とても憎く感じて思わず拳をギュッと握りしめた。

なんで、あの子は笑えるの?
私は全てを奪われたのに。心から楽しめないのに。

嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い嫌い憎い嫌い嫌い嫌い憎い憎い憎い嫌い嫌い嫌い憎い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い嫌い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い憎い嫌い嫌い!!!!!!!!

心の中が真っ黒になる。
憎しみでいっぱい。

私から全てを奪ったあの子が笑ってる世界なんて許さない。
あの子の笑顔の先にあるもの、全てを壊してやる。

だってそれが私の生まれた意味だもん。

もう揺るがない。


「跡部?」


後ろから聞こえた声にあの子からは目を逸らさずに嗤う。

私はもうあの子に復讐出来ればなんだっていいの。


『七坪くん、私に協力して。』

「……いいよ。」


だから、私は悪魔の手をかりてでも、あの子に復讐してやるんだ。


七坪Side

憎しみに包まれた瞳で俺……ワタシを見る心愛チャンにニヤリと嗤う。

その顔…すっごくいい。

前までは本当はあいつらを巻き込みたくなかった。それでも、あいつを憎む気持ちが抑えられない。そんな苦悩に満ちた瞳。

でも、今はそれすらも受け入れて決心してる瞳。

やっぱり彼女は神と呼ばれたあいつに愛されるだけに美しい。
それは心も身体も全て。


「本当にいいの?あいつらに嫌われるカモよ?」


あいつらが心愛チャンを嫌うことはないと思うけど。
だってあいつらは心愛チャンに利用されることすら、喜びに変換してる。それくらい盲目的に心愛チャンを愛してる。


『……いいの。だって私の生まれた意味はあの子に復讐することだもん。』


そう言って切なそうにワタシを見上げる心愛チャン。

その瞳にドキリと心臓が動くのが分かった。

苦しいんだよね。辛いんだよね。


「……まあ、でも安心しなよ。あいつらが心愛チャンを嫌ってもワタシは愛してあげるから。」

『ありがとう…』


愛に飢えた彼女を捕まえた。






記録者すらも取り込む少女



 
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