今日は私が四天のマネージャーになる日。
でも、私は手首が痛くて仕事が出来ないので、私はずっとドリンク作りをしていた。
坦々と作業をしながら頭の中にはあの子と七坪くんのこと。
七坪くんは恐い。
七坪くんの瞳はゾッとするくらいに真っ暗でこの世界の全てを嫌って嫌がって憎んでる、そんな瞳。
でも、その瞳を忘れられない。
どこかで、あんな瞳を見た気がする…
でも、思い出せない。
「どうしたんや?手が止まっとる。」
『っ、ぁ、忍足く、ん。』
後ろから突然聞こえた声にビクリと身体を震わせつつ、私は後ろを振り向く。
すると、そこにいたのはにっこりと人懐こい笑顔を浮かべる忍足謙也くんの姿だった。
驚いたように忍足くんを見る私に、忍足くんはクスリと笑う。
「忍足やなくて謙也、やろ?この合宿には二人も忍足がおるんやし、忍足ー言うとったら混乱するやろ。」
『そ、ですね。あっ、わ、私、他のマネージャーさんたちに用がありますから行きますね。』
何故だか分からないけど、その場にいるのが恐くて、苦しくて、私はその場から逃げだした。
謙也Side
「なんや、逃げられとるやん。」
「うっさいわ。アホ。」
心愛が去った後に出てきよった白石に口を尖らせながら言う。
ほんま最悪や。こんなとこ白石に見られっとたら絶対馬鹿にされるに決まっとるやん。
「ほんま、謙也は乙女心が分かっとらんなぁ。」
「いきなり乙女の唇を奪ったやつに言われとうないわ!」
「……それにしても心愛ちゃんかわええなぁ。」
俺の言葉を無視して舌舐めずりをしながら白石が見つめるんは、心愛の後ろ姿。
はたから見とったらどこの悪人やねん!って突っ込みたくなるくらい白石の顔は悪人面やった。
ほんま、なんでこんな奴が学校では完璧な王子様なんて呼ばれとるか分からんわ。
「それより、白石はなんでここに来たんや?」
「そんなん決まっとるやん。心愛ちゃんをおかs「何言うとんねん!そんなこと言わせんわ!」
俺が来なかったら心愛は大変なことになっとたんやないか…?
そんなことを考えながらニヤニヤと笑っている白石にため息をつく。
「冗談や、冗談。ただな、金ちゃんが消えよったからここにおらへんかな?と思って来ただけや。」
「そうか。金ちゃんが消え……なんやと?!」
金ちゃんが消えた?明らかマズイやろ!
「たぶんなぁ、心愛ちゃんのとこにおるやろ。」
「絶対そうやな。金ちゃんのことや。怪我させそうやなぁ。」
心配やなぁ、
「そう言いつつ、顔に本音が出とるで。」
「白石もやろ。」
口ではそう言いながらも、ボロボロになった心愛を見てみたい自分がいることに気付いて俺は嗤った。
結局全てが狂ってる
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