私は財前くんと食堂に向かう。
財前くんは何故か私の手に自分の手を絡めていた。
「心愛と…財前」
「不二さん…」
途中で不二くんが私たちに話しかけてきた。
財前くんの名前を呼ぶ不二くんの言葉はとても暗く冷たくて、
「心愛、心愛は今日僕たちのマネージャーでしょ。こっちにおいで。」
そう言って不二くんは私を呼ぶ。
でも、財前くんから離れていいのか分からなくて私は困惑していた。
「…心愛さん行っていいっすよ」
『あ…財前くん、ごめんね』
財前くんは私から絡めていた手を離す。
いきなり離れた温もりに戸惑っている自分に驚きつつも私は財前くんに意味もなく謝った。
財前くんはそんな私の耳に顔を近づけながら笑って言う。
「なんや、俺が離れて寂しかったん?」
『違っ…!』
「まぁ、ええわ。後で話そーな」
っ!
最後に財前くんは私の耳に息を息を吹きかけて離れていった。
「………心愛、」
『不二くん、ぁ、行きましょうか』
不二くんが何か言いたそうな顔をしていたけど、それに気づかないフリをして私は不二くんに笑いかけた。
私と不二くんが食堂に行くとあの子と有澤さんに睨み付けられた。
有澤さんにいたってはあの子よりも憎悪の気持ちが感じられる。
?私なにかしたっけ?
「心愛、一緒に座るよ」
『はい、』
不二くんはきっとあの子たちの憎悪の目に気づいてる。
だってあの子たちは明らか様に私を睨んでいたから。
「心愛…さん、不二先輩。ここ空いてるっすよ。」
そう言って越前くんが指差したのは越前くんの隣の席だった。その前の席には手塚くんもいる。
「越前、ありがとう」
「…うっす」
私と不二くんは越前くんの指した席に座る。
すると、近くにいた菊丸くんが私に話しかけてきた。
「ね、ね心愛ちゃん!俺ね、菊丸英二って言うの!俺のことは英二って呼んでくれにゃ!」
『ぇ、あの…』
いきなりの菊丸くんの言葉に私は戸惑う。
すると、大石くんが菊丸くんを止めた。
「英二、心愛ちゃんが困ってるだろ。止めてやれ。」
「えー! 」
菊丸くんはそう言って大石くんの頭を叩く。
大石くんは苦笑いしつつも私に、ごめんねと謝って菊丸くんと一緒に食堂を出て行った。
He is like a cat.
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