気付いてた。ここにいる人はみんな狂ってる、って。

だって私もその一人なんだから。


『手塚くん、ありがとうございました』

「いや、別にかまわない。」


手塚くんの答えに私はふわりと笑う。
私は受け入れてしまった

結局私は1人では生きていけないのだ。


『じゃあ、私マネージャーの仕事手伝ってきますね。私を運んでくれた人にもお礼言いたいですし。』

「あぁ、無理はするな」


手塚くんのその言葉にはい、と言って私はその場から離れた。




私がテニスコートに着くと何か騒がしい様子だった。

どうしたんだろう?何かあったのかな?

私はとりあえず、近くにいた柳くんに話しかけた。


『何か、あったんですか?』

「心愛か…。いや、なんでもない。怪我は大丈夫か?」

『え?えぇ。大丈夫です』


なんで柳くんは私が怪我?したこと知ってたんだろう?誰かから聞いたのかな?


「今から何かするのか?」

『あ、私、ドリンク持って来ようと思って。後、私を運んでくださった方ってどなたですか?』


そういえば私マネージャーの仕事を手伝いに来たんだった。
柳くんに言われなかったら騒ぎの方に行こうとしてたよ。よかった。


「片手だけでは大変だろう。俺も手伝おう。」

『大丈夫ですよ?私なら出来ます。それに今日は青学のマネージャーですから。』


私がそう言って笑うと柳くんの目が鋭くなった。


「心愛、お前は俺達のマネージャーだ。忘れるな。あぁ、お前を運んだのは幸村だ。」


柳くんは私に念を押すようにそう言うとどこかへ行ってしまった
柳くんは、怒ってた。

どうしよう。もし、私が見捨てられたら、
あれ?なんで私こんなこと考えてるんだろう。

最近の自分が、わからない。

とりあえず幸村くんのところにお礼しにいかなくちゃ。

私はそう思って幸村くんのもとへ向かった。





I understand my heart.



 
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