『っ……!どうしよう……』
河村くんに掴まれた手首が痛い。このままじゃ、マネージャーの仕事が出来ないよ……
「どうしたの?」
『っ!不二くん…』
いかなり後ろに立っていた不二くんに驚いた私は思わず手首の痣を隠した。
「それ………」
『あの、……っ!』
私が隠すのが遅かったらしい。不二くんは私の痣を見て目を見開き、私を壁に押し付けた。
『、不二くん…?離してください……』
「それ。誰につけられたの?」
『……え、?』
「心愛は僕のものだよ?なんで誰かに触らせたの。なんで誰かに傷つけられてるの?駄目だよ。僕以外に傷つけられたら。心愛の体は僕が傷つけるんだから。ねぇ、誰?誰が心愛の体に傷つけたの?」
恐い、恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い恐い!!!!
今の不二くんは朝みたような穏やかな表情じゃなくて、何かを殺しそうな目をしていて、恐い。
『不二く、んんっ?!』
私が口を開こうとすると不二くんはいきなり私にキスをしてきた。
優しいキスじゃなくて、まるで、私を食べようとするかのような、キス。
『…んっぁ……はぁ…っ』
クチュ
「はぁッ……。ねぇ、心愛……。僕は、君を殺したいくらい大好きだよ。」
薄れゆく意識の中で不二くんが何かを言っていたけれど、私には聞こえなかった。
不二Side
「いるんだろ?幸村」
心愛が気絶した後、僕は自分の腕で彼女を支えながらいるであろう幸村に話しかける。
「…分かってるのにやったんだ」
「クス……キミもやればいいじゃないか」
まあ、立海は心愛を大切にするあまりこういった行動には移れないのかもしれないけど。
「心愛は俺達立海のものだよ。早く離してもらえるかな?」
「キミ達のものだけじゃないだろ?実際、心愛はここにいる人を拒めなくなってきてるじゃないか。それにさっきの僕とのキスも心愛は拒まなかったよ?」
「っ!とにかく、心愛は俺が医務室に連れて行くから。」
幸村はそう言って僕から心愛を奪うとここから出て行った。
心愛に会ったのはたまたま神奈川にサエさんに会いに行った時だった。
遠目で見ただけでも目が奪われた。
あれから何度も神奈川に行ったけど、結局会えたのは最初の時だけだった。
それが今回の合宿でやっと会えたんだ。もう運命だよね。
だから、僕は誰にも負けるつもりないよ。もちろん、手塚と越前にもね。
I bilive destiny
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