私は変わったのかな?

昨日あれから幸村くんの手を取った私はなんにも後悔してなかった。
むしろ嬉しかった。
でも同時にそれが怖くて
矛盾してるかもしれないけど、それが今の気持ちだった


『今日は青学かぁ……』


青学は越前くん以外話したりしてないから大丈夫だと思うけど…

なんだか怖いな。

そんな考えを改めるように頬を叩くと着替えて食堂に向かった




―――
―――――


「心愛ちゃん」


私が食堂の前までつくと不二くんに呼び止められた


『えっと、不二くんですよね?どうかしましたか?』

「周助でもいいよ?」

『えっ――…』


その言葉に私が戸惑ってると不二くんはクスクス笑い始めた


「冗談だよ。」

『そう、ですか』


私はほっとしたように息をつく
すると、不二くんは私の近くまで顔を持ってきた
いきなりの行動に私が驚いていると不二くんは耳元で囁いた


「クスクス。でも、いつかは名前呼んで欲しいな」

『っ―――!』

「…今日は確か僕たちのマネージャーだよね?じゃあ一緒に朝食とろうか」


不二くんは何事もなかったように私の手をとると食堂の中に入っていった


「あーっ!不二さっそく心愛ちゃんと話してるーっ!ずるいにゃ!」

「くす……英二は落ち着きなよ」


私が入るとすぐに菊丸くんが私たちに気付き声をあげる
そうすると、その場にいた全員が一斉に私たちの方を向いた


『っ!』


ふと目を向けたところには越前くんと手塚くんがいて私たちをじっと、無表情でみていた。
私は思わず視線をそらす

もうイヤ。
なんで私なんだろう。

私は気持ちを切り換えるためにあの子を見た
あの子は私のことをすごい妬ましい目で見ていた

気持ちいいな。
そうだよ。私は復讐のためにここにいるんだよ。
忘れない。忘れちゃいけない。
だってそれが私の生きる意味だから。それだけが私を支えるものだから。

だから、


「不二。もう手を離せ」

「そうっスよ。心愛…先輩が可哀想っス」

「…わかったよ。心愛ちゃん、また後でね?」


私なんかを愛さないでよ


『……はい』


それでも、この人たちを突き放せない私はきっと、おかしい





I must hate―…



 
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