仁王Side

心愛は幸村の手を掴んだ
もうこれで絶対に俺たちから心愛が離れることはなくなった


「仁王、お前は心愛にベタベタ触りすぎだ」

「別にかまわんじゃろ?今回、俺が行ったおかげで心愛が手に入ったんじゃし」

「そういう問題じゃないだろう。それよりさっさとその血糊を洗ってきたらどうだ?」


参謀にはやっぱりバレとったらしい
俺の怪我がペテンじゃということが


「さすが参謀なり。」

「ほとんどの奴らが気付いていた。そしてお前はいつまでそこにいるつもりだ?」


参謀はそう言うとちょっとだけ開いてる扉を見つめた

おぉ。開眼しよった


「なんだ。バレていたのか」

「当たり前だ。貞治」


そう言って入ってきたんは青学の乾だった


「いつからいたんじゃ?」

「さ「最初から、という確率98%」……ふっ、さすが教授だな。気付いていたのか」

「まあな。」

「で、乾はなんの用じゃ?」


まあ、だいたいは予想できるがのぉ


「お前が考えていることであっていると思うぞ?」

「あぁ。お前の考えている通り、俺たちも心愛が欲しいんでね。」


俺“たち”じゃと?
ちゅーことは青学もちゅーことか


「青学ではどんな状況だ?」

「越前と不二、手塚が特にヒドイな」


手塚が、か?


「意外じゃのぉ」

「あぁ。俺も手塚が一番意外だった。蓮二はどう思う?」

「手塚、より越前だな」


越前?なんでじゃ?
普通だと思うんじゃが


「越前はテニス以外なにも興味がないと思っていたからな」

「それは手塚にも言えることじゃないか?」

「いや……手塚も俺たちと同じ年だ。色恋沙汰にも興味があるだろう。でも越前はまだ中学入ったばかりだからな」


確かにそうじゃのお


「いや、それを言うなら四天の遠山もだろう」

「なんかしたんか?」

「ああ。今朝心愛におもいっきり抱きついて心愛が苦しそうだった」

「確かにそうだな。」

「………おまんさんら、なんでそんなこと知っとるんじゃ?」


俺がそう聞くと、参謀を開眼して、乾は逆光メガネで俺を見た


「(ストーカーしたんか…)」

「何はともあれ、いいデータが取れた。博士、礼を言う」

「いや、俺も興味深いデータをとることができたよ。ありがとう教授。」


こいつら怖いんじゃけど





データマンの思考



 
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