ランニングが始まった。
今回の合宿では部員の自主性を高める為に基本的に先生たちは私達の練習に口出ししないことになってる。
合宿場も先生たちだけ近くの別荘のような所に泊まっているらしい。

だからランニングも先生たちは見てるだけ。
先生たちって言っても今日は四天の渡邊先生だけらしい。


「ペア作ったかー?ほな行くで〜」バンッ


その合図でレギュラーの半分が一斉に走りだした。
もう半分はここに残ってペアが一時間で何回走ったか見て私たちマネージャーに報告してその人の持久力を調べるらしい。

なんか大変そうだなぁ…

マネージャーは走っている人が終わったときに冷たいドリンクをすぐに飲めるように準備しておく。

そうすると私たちはやることがなくなってしまった。

私はとにかく体を動かそうとマネージャー室の掃除を行うことにした。
体を動かしてないと今朝のことを思い出しそうで恐かった。



私がマネージャー室に入るとそこまで部屋は汚れてなかった。

やっぱり跡部の別荘だからかな?
そしたらどうしよ。
やることなくなっちゃった
うーん…一回座ろうかな?疲れちゃったし。

とりあえず部屋にあったソファーに座ると何か仕事はないかと考えた。


ガチャ
『っ!』


私が考えていると突然部屋の扉が開いた。


「ん?なんや人がおったんか」


部屋に入ってきたのは関西のお笑いテニスで有名なダブルスの片割れ、一氏ユウジだった。
一氏くんはそのまま私とは違うソファーに腰を下ろす

なんで人が来るの、?
今テニス部はここには絶対来ないはずなのに…

とりあえず一氏くんは確か金色くんが好きだから大丈夫だよね。

私は1人勝手に安心すると一氏くんが何故ここに来たかを聞いた。


『何かありましたか?』

「んーちょっと、な。ちょっとこっち来てくれへん?」


そう言って一氏くん指を差したのは一氏くんの隣の席だった。

私は意味が分からないまま一氏くんの隣へ移動した。


『どうした…………っ!』


一氏くんはそのまま私を後ろに押し倒した。


『なっ!離してください!』

「なんでや?」


ゾッとした。
一氏くんの顔は口は弧を描いてるのに目は全くと言っていいほど感情を表していなかった。


『な、んで、?』


なんで私が。これはあの子がやられることでしょう?
私はあと何回こんな気持ちになればいいの?


「なんで、やと?」

『え、?』

「心愛が悪いんやろ?心愛が白石にキスなんてさせるから」


なんで知って、


「見てたんやで?ずっとズット。それなのに心愛は気付いてくれへんからなぁ…」


ずっと、って何、?
また私は何か間違えた?


『とにかく、離して、くだ、さい』

「嫌や。心愛に拒否権はないで?俺を受け止めてや。」


そう言うと一氏くんは私にキスをしてきた。


『んっ………やぁだぁ…』


一氏くんはそのまま無言で私の口に舌を入れてきた


『!?んぁっ…ふぅ、ぁ……』

クチュ クチュ

『ぁ……ん…ひぁん!』


そのままディープキスをし続けると一氏くんは私の胸を服越しに触ってきた。

それまで力が入らなくて抵抗が出来なかった私もまずいと思い、力が入らないまま抵抗を始めた


『んぁ…!ゃだぁ!』

私が必死で抵抗してもやっぱり男の力には叶わなくて、そのままキスは続く。

一氏くんが私の服を脱がそうとした時に誰かが入ってきた。


ガチャ
「…なんばしよっとると?」


クチュ
千歳くんが入ってきたところで一氏くんはやっとキスを止めてくれた。
口が離れるときに見えた銀の糸が私の羞恥をさらに掻き立てた。


「千歳やんけ。」

「さっさと心愛から離れるばいね!」

「ちっ…」


一氏くんは私から離れるとその間際に私の耳元で言う


「俺を受け入れへん時は殺したるわ…」


私はそこまで私に好意をくれる理由が分からなかった





好きの気持ち



 
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