私が今日マネージメントする学校は立海になった。
ちなみにあの子は氷帝、有澤さんは青学、七坪さんは四天だそうだ。

私はマネージャー室に戻ると、有澤さんと七坪さんが用意してくれたと思われるタオルを持って立海の使うテニスコートへ移動した。

私がテニスコートへ移動すると、そこにはすでにウォーミングアップをしている立海レギュラーがいた。

もうすぐランニングなのに大丈夫なのかな?
でも、みんな生き生きしてる…
・・・・・羨ましいな

私はそのまま座りながらぼーっと立海のみんなを見る。
その間に両隣には切原くんと丸井くんが座っていた。
私は二人に関わることが怖くてテニスコートへ行くように促してみる。


『お二人は行かなくていいんですか?』

「俺らはもう終わったぜ」


そうだったんだ…

確かにもう立海が使えるテニスコートはすでに他のレギュラーで埋まっていた。


「それより心愛先輩!」


切原くんは突然大声で私の名前を呼ぶと私の方に身を乗り出してきた。
私はそれが怖くてちょっとあとずさる。


『どうしたんですか?』

「俺の名前を呼んでみてください!」

『?切原くん…?』


私がそう答えると何かダメだったらしい。
切原くんは頭を抱え始めた。


「(上目遣いはいいんだけど!そうじゃないだろ!)」

『?』


本当にどうしたんだろう?
怖いな。遠山くんと同じでまた私が分からないことが増えるの?


「心愛!」

『どうしたんですか?』

「俺の名前も呼んでくれ!」


そう言うと丸井くんも私の方に身を乗り出してきた。
私もうすぐで後ろに倒れそう…
それでも最後の抵抗と言わんばかりにさらに後ろにあとずさる。


「早く!」

『え?えっと、丸井くん?』

「っ〜〜〜!」


私がそう言うと丸井くんは私にタックルしてきた。
その反動で私は後ろに倒れる。
丸井くんはまるで私に覆い被さるように乗ってきた

なんでなんで?
なんで私にそんなことするの?

私が理由を考えてるとその間に丸井くんの顔が近いてきた。


「ブンちゃん、それはアウトぜよ。」


近いてきたと思ったら、仁王くんが丸井くんの首根っこを掴んでまるで猫を持つようにしていた。


「うげっ仁王…お前いいとこで邪魔すんなよなー」

「プリッ」

「うぜぇ。てか赤也はいつまでそうしてんだよ。」


切原くんは丸井くんが言うように今までずっと頭を抱えて悩んでいたらしい。

丸井くんが叩くと何かに言い訳をするように話し始めた。
上目遣いがどうとかなんとか言ってたけど私にはよく分からなかった。


「……とにかくトイレ行ってこい」

「………はいっス」


丸井くんと仁王くんはどういう意味かわかったらしい。
切原くんにトイレに行くよう促すと二人も立ち上がって私に一言行ってくると言うとテニスコートへ向かった。


私はそのまま横になりながら自分の明らかな気持ちの変化に戸惑いを隠せなかった。

なんで私は押し倒された時に疑問だけしか出なかったんだろう?
気持ちには蓋をしたのになんで私は、

変わっているの?








臆病者



 
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