なんか朝から疲れた
仁王雅治はよく分からない隣にはあの子が座ってるし…

朝のことを考えていると私の前に座っている丸井ブン太が私に話しかけてきた


「心愛。もうすぐ着くぜ?」

『あ、ありがとうございます』


もうすぐで合宿所に着くらしい
じゃあ、もうすぐで全部終わるんだ…


「みんな着いたから降りて」


幸村精市の言葉でみんなが降り始めた

私はみんなが降りるのを見ながら震える手足を必死に抑えてた

っ……!なんで私いまさら震えてるの?
もう覚悟したんだから震えてちゃ駄目なのに…!


「…心愛さん?降りないんですか?」

びくっ
『あっ……!ごめんなさい。すぐ降りますね』

「そんな急がなくても大丈夫ですよ」


私は震えが収まってきたので急いでバスを降りることにした


「久しぶりだな幸村」

「久しぶり跡部。今日は合宿に招いてくれてありがとう」

「強いやつを呼ぶのは当たり前だろーが」

「ふふっ…そう思われてるなんて光栄だな」


私がバスから降りるとちょうど幸村精市と跡部景吾が話をしているところだった


「けーいごっ!久しぶりだね!」

「アーン?てめぇ俺様たちが話してる時に勝手に話に入ってくんじゃねぇよ」

「…………え?」


…え?なんで?
あの子は氷帝のテニス部レギュラーを虜にしたんじゃないの?なんで?

私が頭の中を疑問で一杯にしてると、跡部景吾のアイスブルーの瞳と目があった

なんで跡部景吾は私に近づくの?


「心愛」


なんで跡部景吾は私の名前を呼ぶの?


「心愛」


なんで跡部景吾は私に触れるの?
なんで、?


『さゎ、らなぃ、で、くださぃ……』

「っ!心愛…後で話がある。俺様の部屋にこい」

『――っ!…はい』

「他のやつらはもう中に入れ。青学はもう来てる」


どうしよう、どうしよう!
私怒られるのかな?
恐い恐い恐いよ


「…心愛大丈夫かい?顔が真っ青だよ」

「本当だ!心愛先輩大丈夫っスかー?」


私はそうとう顔色が悪かったらしい
幸村精市と切原赤也が私の顔を覗き込んできた


「俺たちがいるんだ。何も心配することはない」

「うむ。具合が悪かったらすぐに言え」


柳蓮二と真田弦一郎は私に励ましの声をかけてきた

なんでこの人たちは私に優しく接するんだろう?
私はとってもとっても酷い女なのに


『大丈夫です。お待たせして申し訳ありません。』


神様、できるなら私はもう一度他人を愛して信じてみたいです

そうすれば、彼らが私に優しく接する理由が分かる気がするの

でも私はもう止まれない
あの子に復讐することを止めるなんて出来ないの

ねぇ神様、お願いだから私をもとの優しい世界に帰してください





垣間見える本音



 
29/90