「来週から合宿がある。みんな気を引き締めて練習に励んでくれ」
幸村精市の言葉にテニス部レギュラーがはいと答えて今日の練習が始まった
あの子が来てからもう1ヶ月になる
合宿が来たら私はあの子を**なくちゃ
愛されてるなか**されたら絶望するよね
ああ、でも立海テニス部のレギュラーたちは、みんなあの子が好きではないらしい
「なーに考えてんだよぃ」
丸井ブン太は後ろから私の腰に手をまいて抱きしめながら私の耳元に息を吹き込むように問いかけてきた
『っ!…丸井くん離してくれませんか?』
私はそう言って自分の腰にある手をどかそうとするが離れない
こんなまるで恋人同士のような抱きしめ方気持ち悪い
「無駄だって。で、なに考えてたんだよぃ」
『っ!別に……何も考えていませんよ?』
「うそつけ。どーせ「あー!丸井先輩、心愛先輩になにしてんスかぁ!!」…ちっ…」
こわい。ホントにこわい。
なんでテニス部レギュラーは私に構ってくるの?
好きになりたくないのに
「先輩だけズルいっス!」
切原赤也はそう言いながら、私に抱きついている丸井ブン太を引き離した
『切原くん、ありがとうございました。私はマネージャーの仕事が残ってるので行きますね』
それ以上いるのが恐かった私は足早に部室の中に入っていった
ガチャ
中に入ってドアを閉めると私は力が抜けたように床に座りこんだ
『…………なんで』
テニス部レギュラーの好意がこわい。
それに合宿が近くなってから前よりはっきりと見せつけてくる
自分の膝をしっかり抱えて座りながら震えを抑える
そうしてだんだん収まってきた震えに安堵する
仕事があるのは本当だった
あの子が残した仕事をしなければならない
まだ震えが残る体を叱咤して私はボトル洗いに行くことにした
不可解な行動
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