自分が作ったドリンクを一つずつ種類ごとに並べていく

そうしていると後ろから誰かが私に向かって話かけてきた


「なぁ心愛。さっきの荒川が言っていたことは無視していいのか?」

『いいんですよ桑原くん。もうすぐ合宿って時にマネージャーが問題なんか起こしてられません』


さっき私とあの子の話(って言ってもあの子が一方的に話してただけだけど)を聞いていたのはジャッカル桑原だったらしい

ジャッカル桑原は私が何も言わないでと言えば仲間思いの彼のことだから、きっと何も言わないと思う
まあ、私がそんなこと言うはずもないけど


「でもよ、一応幸村には言っといた方がいいと思うぜ?」

『そう、ですね。でも、私と荒川さんの雰囲気が悪くなったらテニス部全員に迷惑掛かります。ですから、幸村くんには今あったことを話しても荒川さんに注意したりはしないでください』

「でもよ、」

『荒川さんがいるおかげで私ずいぶん仕事が楽なんです。ですから、少なくとも合宿を終えるまでは荒川さんに部活を辞めてほしくないんです。お願いします』

「…ああ、わかった。仕事頑張れよ!」

『ありがとうございます 桑原くんは部室に用事があったんでは?』


これで合宿まではあの子も部活辞めないよね
見てたのがジャッカル桑原でよかった


「あ、そういえば怪我しちまってよ 手当て頼めるか?」


そう言ってジャッカル桑原が差し出した足の膝は思い切り転んだのか血が出ていて痛そうだった


『!大変ですね 染みると思いますが我慢してくださいね』


私は近くにあった救急箱から消毒液とばんそうこを取り出すと怪我をしている足に消毒液をかけた


「っ!わりぃな。見てて気分のいいもんじゃなかったろ」

『大丈夫ですよ……っとこれで終わりです。お大事にしてください』


消毒液をかけた足に大きめのばんそうこをはって手当ては終わった


「おっ!ありがとなっ!じゃあ、俺練習戻るな」
パタン


ジャッカル桑原は治療が終わるとすぐに部室から出て練習に戻っていった



それにしても、もうすぐ休憩か………
早くドリンク持ってかなくちゃ


ガチャ
「あっとべさーん!」


そんなことを考えてるとタオルを洗うのが終わったのかあの子がやってきた


「ドリンク配るよね!蜜乃がぜぇーんぶやってあげる!だからタオルを干しといてねぇ?」


仕事は終わっていなかったらしい
私としては、レギュラーと関わり過ぎると前みたいになりそうで怖いから構わなかった


『わかりました。ではドリンクお願いします』

「ふふっあんたより蜜乃みたいな可愛い子から貰った方がみんなの士気もあがるよね!あーっ!楽しみ!」パタン


………あ、みんなの好み知らないのに配るっていいのかな?
ま、それで嫌われてあの子が絶望してくれれば万々歳なんだけどね





見ていた目撃者



 
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