「荒川蜜乃ですっ!頑張ってマネージャーやるんでよろしくね?」


そう言ってあの子は男子テニス部に上目遣いをした

やっと来た
私がこの日をどれほど待ったことか……
でも、それも今日で終わり
やっとあの子に復讐できるんだ!


「じゃあ、レギュラーは各自他の部員の指導!蓮二と心愛は荒川さんにマネージャーの仕事を教えて!」

「わかった」

『わかりました』


私たちはそうして幸村精市の言う通りあの子に仕事を教える為、部室に向かった。


「俺は柳蓮二だ。これからマネージャーの仕事を教える。しかし、俺より心愛の方が詳しいと思うから分からないと思ったところは心愛に聞け」

『跡部心愛です』

「よろしくね!蓮二くんに跡部さん!」

「悪いが名前で呼ばないでくれるか?親しくない奴に名前で呼んで欲しくない」

「あっ……ごめんね!柳くん!」


あの子は顔を歪ませながら柳蓮二に謝った。
謝ったと言ってもまだまだ不満がありそうな謝り方だったけどね。

それにしても私のことは分からないんだ
確かに顔は変わったけど名前は変わってないのに
まあ、こっちとしては好都合なんだけどね


私は絶対に許さない。
あの子に復讐するためなら自分だって偽るし何を犠牲にしてもいい。

私はあの子のせいで信じたかった人、愛すべき人を失ったんだから!







覚悟



 
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