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跡部Side
「手術は終わりました。あとは、お嬢さんの気持ち次第です。」
白い白衣を着た医師が、俺たちにそう告げた。
「あぁ…!心愛…!なんでこんなことに…!」
「……」
母さんが心愛の手をギュッと握り締める。父さんは自分の拳を血が滴るまで強く握り締めていた。
青白い顔をした心愛の頬に手を滑らせる。
少し、暖かい。
生きてる、生きてるのか。
心愛は、まだ死んでねぇ。
「ぜってぇ、死ぬんじゃねぇ。」
幼い頃の心愛を思い出す。
なにも知らなかった純粋な頃。
無邪気に笑ってたあの頃を。
今も昔も、俺の大切な女は心愛だけで、
それが恋愛感情かもわからない。だが、俺は心愛が大切で、心愛が愛おしい。
死んで欲しくないとかじゃない。
心愛が死んだら、俺も死ぬ。
それくらい、俺は心愛に依存してる。
「心愛…」
お前が死んだら、たくさんの人間が死ぬな。
自嘲しながら、意識のない心愛の耳元でそっと囁いた。
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