秋が近い。秋の匂いが強く感じられるようになってきた。ひらりと膝の上に落ちてきた緑の葉っぱが猫に見えた。

「やあ」
「夏目、夏目!」
「な、何だっ」
「これ、夏目にあげたくて」

葉っぱを見て彼は笑みをこぼした。ニャンコだ。夏目は猫のことをニャンコって言うのか。可愛いなあ。

「…何でそんなにニヤニヤしてるんだ」
「してない!」
「今度は怒った」
「怒ってない!」

夏目が笑う。私は嬉しい。夏目の一言一言を聞き漏らしたくない。夏目のひとつひとつをしることが嬉しい。

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テーマ「推しとの恋」
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