雨は二日間降り続けた。その間に夏目は一度も来なかった。一日がひどく長い。そして今日も雨だった。

「今日もおまえはあいつを待っているのか」
「そうね。彼と話すことが、最近の楽しみだから」
「おまえもしかして、あいつに恋をしているのか」
「…恋とは何なの」
「そんなこともしらないのか」
「しらないから聞いているの」
「そうか」



「久しぶりだな」
「…どうして」
「どうしてとはどういうことだ…」
「だって、夏目は雨の日は、来ないじゃない」
「でも今日は来た」

恋とは少しでも会いたいとか話したいとか思える相手がいて、そのひとを思うとしあわせで切なくなるものだ。

ああ、夏目に、当てはまってしまう。夏目に会えただけで声をきいただけで涙が出そうだ。しあわせで切ない。

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テーマ「推しとの恋」
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