「五日後にここを去るんだ」
「…どうして?」
「おれは親戚のひとに預けられているんだ。また違う土地に預けられる」
「…そうなの」
「でも、」

「会いに来るから」
「…夏目は新たなスタートを切ればいいのよ。だから、」

五日間は私に時間をちょうだい。その五日間を私でいっぱいにして。叶うことのない、未来のない、私のために五日間をちょうだい。

夏目の手のひらを自分の頬へ持っていく。この温もりを忘れないように刻みつけておかなければ。

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