虚しい虚しい虚しい虚しい虚しい。となりの寝息を止めてしまいたい。僕だけの彼女であってほしい。
何かが乗り移ったかのように、でもこれが僕の本能であり本質であるかのようにゆっくりと細くて白い首に手を伸ばす。視界に入る人間のものではない左手に、ぐっと目頭が熱くなった。ただ僕は僕だけを愛してほしい。それは母のように。慈悲深い無償の愛を望んでいる。

薄く開かれる瞳に僕はどのように映っているのだろう。殺人鬼のようか。レイプ犯のようか。予想できるのは彼女が怯えて助けを乞うことくらいだ。
だが予想に反して彼女は顔を歪めながらも真っすぐと見つめるだけだった。そして僕の左に息づく呪いを愛しそうに撫でるのであった。喉にかけていた力が抜けていく。僕は、僕は。

なぜ僕は彼女がこんなにも愛しいのだろう。決して僕だけのものにならないのに。自分に向けてくれた眼差しを今夜はどんな男に向けるのだろう。僕にとっては女神であり唯一の存在だというのに、彼女にとっては一人の客でしかない。

愛しい愛しい愛しい愛しい愛しい。僕は彼女を手放すことができない。


  
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テーマ「推しとの恋」
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