孤独
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朝を知らせる小鳥の鳴き声に、深い眠りから徐々に覚醒へと意識が昇っていく。
そんな中、暖かい温もりが離れギシリとベッドが軋む。


その軋みにとろりと目を開ければ、四代目が脱ぎ散らかした服を拾い身に付けているところだった。


その白い背には消えかけた赤い筋が、それをつけた者の存在を強く主張していた。



自分が付けたのではない、別の誰かが付けた痕。
夕べ、四代目は自分がその背に手を廻すのを拒んだ。
廻そうとすれば、腕を掴み押さえつけられた。
多分、四代目は、自分の背中に爪痕があるのを知られたくなかったのだろう。

カカシ以外にも、抱く人物がいることを知られたくなかった。だから、背中に腕を廻させなかった…。


その誰かは察しがつく。

だって、噂になってるから。



そして、その人物は、白い背中に腕を廻すことを許されたのだ。





自分は、縋りつくことは許されなかった。

その心に、入り込むことは出来ないのだ。



閨の睦言で愛していると囁かれ、信じていた。
けれども、その背に縋ることは許されず、ただ嬌声をあげることのみ許された。








自分は、彼にとって何番目なんだろう?

一番ではないなら、その心にどのくらい自分という存在は占めているのだろう?

きっと、半分も占めてはいないだろう。

その心にいるのは、彼女だろうか?



視線を感じたのか、四代目が振り向いた。
その顔を見た途端、カカシの目から涙が溢れた。

それを見て、四代目は黙ってベッドへ腰掛け、カカシの柔らかい銀色の髪をかき混ぜ、涙を拭った。


「今日は休みだから、もう少し寝てていいよ…」


いつものように髪を梳きながら、優しい声で言う。



その声を聞きながら、不意にカカシは自分は独りなのだと感じた。

こんなに近くに居るのに、心は遠い。
こんなにも、心は貴方を愛してやまないのに、この想いは届かない…。







貴方の心に住まうことは許されなくても、貴方を想うことは許してください。












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