ピリオド1P/1P
お前には生きていて欲しい
生き抜いていって欲しい
オレの分まで
オレを忘れて
そして誰かを好きになって
幸せに……
いや、違う
オレを忘れて欲しくない
オレ以外の誰も好きにならないで
生涯 オレだけのものでいて
センセは一人で逝こうとしている
一人で戦って
たった一人で守り抜いて…
「センセ…」
「カカシ…一緒に逝くのはゆ……許さない…よ………オレが命をかけて守ったもの…それを大切にして…」
「嫌だ……センセ…オレも…」
「…カカシ…オレが守りたかった…のは…お前だよ……だから…」
「センセ……ずるい…よ…」
そんなこと言われたら、後なんて追えないじゃない……
「う…ん…」
「カカシ…顔、近づけて……よく見せて…」
顔を近づけると、弱々しくカカシの頬を両手で包み込む。
「愛してるよ…」
「センセ…オレも…愛してる…」
間もなく散ろうとしている命を繋ぎ留めるかのように抱きしめた。
抱きしめ返す腕の力は弱くて………
「センセ……一緒に逝けないなら…せめて心を持っていって…オレの心、センセを愛してるこの心を…」
ふわりと笑った。
「う…ん、もらって…くね……」
「 」
一瞬オレの体を何かがつき抜けた気がした。
そして…センセは微笑んだまま、オレの腕の中で鼓動を止めた……
──カカシ…また…あとでね…──
センセの最後の言葉…
センセは最後までピリオドを打たなかった………
end
06.05.28
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