センセのお気に入り
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センセは最近紅茶に凝りだした。


で、今アッサムとかいう紅茶にミルクを入れて飲んでいる。
その前はアールグレイとかいう紅茶だった。
ベルガモットという香料をつけた紅茶とかで、センセは香りを楽しむんだって言ってたっけ。

オレはといえばセンセに付き合わされて飲んでいる。

香りは良いけどこの前飲んだオレンジペコというのが飲みやすかったな。あと、キング…なんだっけ?それも良かったよな、クセがなくて。
でも、ローズ……なんとか(ローズヒップではない)はちょっとっていうかクセがありすぎてオレは好きになれなかった。


これからどんな紅茶が出てくるんだろ……?ま、長続きはしないと思うけどね、センセのことだから。



そういえば、紅茶の前はコーヒーだった。

何種類か飲んで、センセは“マンデリン”とかいうのがお気に入りになった。

うん、あれはオレも好きだったな。ちょっと苦かったけどさ。
オレはコナというのが一番気に入った、なんかマイルドでさ。
でも、あのキリ…なんだっけな、キリ……キリ…マンジャロ…ジェロ…あれ?ま、どっちでもいいや。あれは酸っぱくて飲めなかった。
センセもダメだったみたい。残った豆を自来也先生にあげてたみたいだし。


コーヒーは3ヶ月位で飽きちゃったんだよ。
…3ヶ月もよく持ったよな、あの飽きっぽいセンセが…。この紅茶はどれ位続くかな?





この間、任務帰りに紅茶の専門店を見つけた。里にはない、たくさんの種類があったな…。

センセにはまだ教えてない。話せばすぐ仕事抜け出して出ていっちゃうだろうから。
ま、どうせ外交で出かけた帰りにでも見つけちゃうだろうけど。







どうせならオレは普通のお茶がいいなあ。
あれが好きだな、玉露入り玄米茶。
飲みたいなァ、久しぶりに…。



そんなことをつらつら考えていたら不意にセンセが語りかけてきた。


「ねぇ、カカシ……この間さ、おいしい甘味処…」


ゲホッ…ゲホッゴホッ


それを聞いてむせてしまった。


「だっ大丈夫?カカシ」


センセが背中を摩ってくれたけど、苦しさで少し涙が滲んだ…。情けない…。
オレが落ち着くまで摩っててくれたセンセの手はあったたかった。


「すみません…もう…大丈夫…」


ふ〜と大きく息を吐いて言うと、ホッとしたようにセンセは笑った。


「…それでさ…」
「ヤダ!!」
「まだ何も言ってないじゃない…」
「オレ甘いの苦手なの知ってるでしょ!絶対行かない!」
「おいしいのに…」


そう言うと立ち上がって台所に行った。



冷蔵庫の中をゴソゴソやってたけど、すぐに戻ってきた。


「そう言うと思ってさ、買って置いたんだ」


そう言いながら差し出された緑色のお菓子…鹿の子というらしい…。




ああ……オレが口にしたいのは緑の甘いお菓子じゃなくて、緑のお茶なのにィィィ……!!




end.






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