君に誓う 2
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-Minato-





カカシが帰って来る前に部屋に戻り、テーブルの上にプレゼントを置いた。
これを見たらカカシはどんな反応を示すだろう?
その反応を想像してクスクス笑いが漏れた。
わざと箱の蓋を開け、これが何なのか分かるようにメモも書き添えた。
案の定プレゼントを見たカカシは固まっている。後ろから抱きしめても何も言わない。
まあ、日頃からお喋りな方じゃないからね。仕方ないのかもしれないけど、少し寂しい。
箱の中身が意味する事が判っているからだろう。許されざるオレ達の関係が公になれば、オレもカカシも破滅するしかない。
けれど、そんな事は判っていても、オレの気持ちに嘘偽りの無いことを証明したい。
カカシが信じていないとは思わないけれど、不安に駆られる事だってあるだろう。そんな時にこれが多少の支えになれば、そう思う。


「二人だけの…結婚式だ…」


そう囁けば驚いた顔をして振り返った。その中に幾ばくかの悲しみが見て取れる。
そんな顔をするな…。オレはお前にそんな顔をさせたくて愛した訳じゃない。
お前にはいつも笑っていて欲しくて…。
この想いを少しでも伝えたくてカカシに口づけた。愛してる──想いを込めて囁く。カカシは頷き返した、判っているよ…と言わんばかりに。
本当はカカシの口から聞きたかったが…カカシは素直に口にする子じゃないからな。が、やはり寂しい。
その想いを満たす為にカカシに口づければ、カカシはくたりと寄りかかってきた。オレの口づけにこんなに感じてくれる。それは嬉しいが、押し倒す前にカカシに言っておきたい事があるから、今は我慢だ。
カカシをベッドへ腰掛けさせ、跪いてカカシの瞳を見つめた。
頬を染めながら少し寂しげな様子に笑みが漏れた。カカシも離れがたく思ってくれているんじゃないか、そんな風に思えたから。
オレは箱から小さい方の指輪を抜き取った。
あらかじめカカシが寝てる間にサイズは図っておいたから、多分大丈夫だろう…と思う。
カカシの薬指にゆっくりと嵌めていく。
ああ、カカシ…これでお前は心身共にオレのものだ。
そんな想いを告白する。


「愛しているよ…。未来永劫オレはお前のもの…そしてお前はオレのものだ…」


カカシの瞳が見る間に潤み出し、流れ落ちる。
ああ、勿体無い。その綺麗な涙もオレのものだろう?
オレは流れ落ちる涙を唇で掬い取り、万感の想いを込めて口づけた。
愛してる。例えどんな事があろうとお前を護っていくから。死してのち、生まれ変わろうとも、オレはお前を見つけるだろう。オレはお前を離さない。離せない。
愛してる…。
ゆっくり唇を離した時、カカシは少しオレを見た後指輪に手を延ばした。そしてオレの左手を取り言ったのだ。


「センセ…、オレもだよ。オレもセンセを愛してる。もう、どうしようもないくらい…。だから──」


その先は何が言いたかったのか…、カカシはそれ以上言わなかったがその瞳には強い光があった。
もしかしたらカカシもオレと同じ気持ちを持ってくれているのではないか──。そんな想いを抱いてしまった。
それから嵌められた指輪。オレの薬指にしっかりと嵌まったそれに感無量となった。
カカシからの告白。カカシの口から愛してるの言葉を聞けるとは…。
はは…嬉しくて視界が滲んじゃったよ…。
そんなオレを見て、カカシは目を丸くした。そうだろうな。お前に涙を見せるのは初めての事だ。
嬉しいと伝えれば、顔を赤くして俯いた。
そんな仕草も可愛いと思ってしまう程、オレはお前にいかれてる。
そっとカカシを抱きしめれば、カカシも遠慮がちにオレに腕を廻してきた。
ああ、何もかもが愛しい。




さあ、二人だけの結婚式だ。


まずは口づけから始めよう──。








11.09.12











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