孤独
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朝の小鳥の鳴き声程、嫌なものはない。

それは愛しい者との別れを告げる声だからだ。
自分に縋りつくように眠っているカカシの額にキスを一つ落とし、ベッドから降りる。
ギシリと聞こえる音は、自分の心を代弁してるかのように鈍く響く。


脱ぎ捨てた服を拾い身に付けていると、カカシの視線を感じた。

振り返れば、今にも泣きそうな顔をしたカカシがオレを見ていた。


ああ、しまった。見られてしまった。
カカシには知られたくなかったのに。
カカシを傷つけたくなかったのに…。



カカシ以外にも抱く人間がいることを。
それが女性であることは尚更。


だけど、聡いお前は判っているんだろうな…。
彼女のことは嫌いではない。むしろ好きだ。

だけどね、お前を想うのとはちょっと違う。
お前は…全てをオレのものにしたいんだ。身も心も。他の誰にも、髪の毛一本たりとも渡したくない。
誰かがお前を見つめるのさえ、嫌だ。
お前の為なら、この命さえくれてやる。


あいつは…クシナは大切だし、守ってもやらなきゃって思うけど。

そうだな…カカシ、お前程執着はしてないな。


随分勝手な言い訳だよな。それでお前が納得するとは思わないけど…。



不意にカカシが涙を流した。

慰めの言葉を持たないオレは、ただカカシの髪を梳くことしか出来なかった。



カカシを傷つけたい訳じゃない。ただ愛したかっただけだ。

なのに、どこで間違ってしまったのだろう…。




カカシはオレからは離れられないことは知っている。だから、それに甘えてしまったのだろう。


そして、オレもお前を捨てられない。

結果、お前を苦しめて…、ごめんね、カカシ。








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