ニャンともわんダブル 4
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別に信じていなかった訳じゃない。自分だけと言われ、嬉しかったのも事実。
ただ、それが永久に続くとは思っていない。人は変わる生き物だ。心変わりしてもおかしくない。
ましてナルトは若い。たくさんの人との出会いで、心惹かれる人物に出逢うこともあるだろう。
その時自分はナルトにどう映るだろう…。
冴えない男?
それとも……。


「なあ、どうしたら信じて貰えるってば? オレが欲しいのはカカシ先生だけって、どうしたら分かって貰えるってば?」
「ニャルト…」
「オレはいつだってどんな時だって先生を抱きたい。どんな先生だって、オレのものにしたい。そう思ってるのに…」
「…飽きたんじゃにゃいにょか?」
「へっ?」
「オレに飽きたんだろ?」
「な、なんでそうなるってば?」
「……オレに飽きたから…こんにゃ格好させるんでしょ?」
「だーーー!! 違うってばよ! 先生に飽きるなんて、そんな事あるわけねぇだろ!」
「違うにょか?」
「当たり前だってばよ! オレは巻物見つけて、単純に先生に似合いそうだって思っただけだってばよ」
「……………」
「そしたら、先生のそんな姿が見たいって…」


ナルトのあまりにくだらない告白に、腹が立つやら情けなくなるやら。
そんな理由で猫耳や尻尾を付けられ、あまつさえガキの姿に変えられて…。挙げ句別れさえ覚悟したというのに。


「…バカくさ…」


やってられないとばかりにカカシは呟いた。


「とにかく、さっさと術を解け」
「え〜。可愛いの…はい…」


カカシの三白眼でギロリと睨まれ、しゅんとしながらも解術するナルト。
カカシは、ほう…と安堵のため息をつく。


「あ、あの…カカシ先生…」
「ん? ああ、呼吸が楽ににゃった…」


自分のセリフがまだ猫語な事に驚くカカシ。動かすのもダルい腕を動かし頭を確認すれば、しっかりと残る柔らかな猫耳。


「…オレは術を解けと言った筈だが?」
「解いたってばよ! ちゃんと元のカカシ先生になってるってば。…なんでか、耳と尻尾は残っちまったけど…」


おっさんの姿でもカカシ先生に猫耳は似合うってばよ、と焦りながらフォローしても、カカシの一睨みに口を噤む。
どうしたら完全に元に戻るのか。
カカシは昔を振り返る。
昔、センセにこの術を掛けられた時は…。
センセは可愛いと言いながら口づけて、そのまま……。
セックスした事を思い出し、見る間に顔を赤くするカカシ。
冗談じゃない。こんな姿でセックスなんて…。
こんなおっさんで猫耳付けて、猫語を喋ってるなんてきもいだけでしょ…。


「24時間待つしかにゃいか…」


ため息混じりに呟けば、ナルトがカカシの猫耳に手を延ばしてきた。


「柔らけぇな…。尻尾は?」
「ぎゃっ!」
「なな何?」
「触るにゃ!」
「触るにゃって…、可愛いってばよ〜。もうダメ…ガマン出来ねぇ」
「ちょっ…ニャル…」


がばりとカカシに覆い被さり口づける。少年カカシの時からずっと我慢してきたのだ。止まれる筈もない。
少年カカシも抱いてみたかったが、カカシ本人が偽りの姿は嫌だと言ったから…。嫌がるカカシを無理矢理抱いて、万が一死に至らしめては後悔してもしきれない。だから抑えてきた。
けれど、いつものカカシで、猫耳猫語のカカシは凄く可愛かった。


「あ…も……しっぽ、さわる…にゃ…よ…」
「何で? そんなに感じる?」
「ンにゃわけ……あっ…あるか……んっ…」
「そう? 気持ち良さそうな顔してるってばよ?」


感じまいと口を一文字に結び、必死に堪えてる姿にもっと感じて欲しいと、尻尾やその付け根を擦る。
よほど感じるのか、しなやかに背を反らした。そんな尻尾をよく見てみたいと、カカシをうつ伏せた。


「うわぁ、ホントに綺麗に生えてんな。なあ、どの辺が一番感じる?」
「もう…触るにゃ……んんっ…やぁ…」


付け根から尻尾へ、尻尾から付け根へと撫でていけば、カカシの腰が自然と持ち上がってくる。その誘うような姿に、堪らず舌を這わせた。


「やっ…にゃめる…にゃ…んぁ……ぁ……や…」
「ンな事言ったって、腰上げてんのセンセーだぜ?」
「そ、んにゃ筈…やっやめ……ぅ…」


止めろと言われて止められるわけもなく。
ナルトはカカシの痴態に煽られ、夢中になってカカシを貪った。
気がつくとカカシは意識を失い、ぐったりと横たわっていた。いつの間にか猫耳も尻尾も消えている。
残念。もっと見ていたかったってばよ。
本当は抱き足りない。もっともっとカカシを感じていたい。だが、チャクラ切れのカカシにこれ以上の無理はさせられない。既に気を失う程の無理をさせているのだ。
ナルトは元に戻ったカカシの額にキスを一つ落とし、「大好きだってばよ」と囁いてしっかりとカカシをその腕に抱くと、夢の中へと意識を飛ばす。
カカシと同じ夢が見られるようにと祈りながら。






11.10.15





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