憧れの… 2
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「ごめーんね。じゃ、行こうか」


カカシが来て、漸く小隊は出発した。





到着してみれば、報告にあった通りの警備で、変更はなかったようだ。一行は夜が更けるのを待った。


娘の救出にはカカシが当たり、残る3人は薬の製造所の破壊及び携わった人間の抹殺。
薬は僅かのサンプルを残し、全てを消滅させること。


それぞれが位置に就く。
ヒエンの合図と共に音もなく飛び立った。




「姫、姫、起きてください」


誘拐された娘の部屋は、一人警備がいただけで手薄なものだった。
罠かもしれないと用心を重ね、警備の者をぐうの音も出させず抹殺する。

そして娘を助け出すべく声を掛けたのだが…。


娘は力なく首を振る。そしてこのまま殺して欲しいと言い出してきた。

「姫、お気持ちは分りますが、どうか生きてください。残された者の気持ちを少しは思いやってくださいませんか…」

「ですが、この汚れた身で生きていてなんになりましょう…。お慈悲です。どうか…」


「姫、辛くても、今貴女がしなくてはならないことは生きることです。それが貴女に課せられたものなのです」

でも、と尚言い募る娘を写輪眼を使って眠らせ、運び出す。当て身でも食らわせて、気を失わせれば簡単なのだが、大名の娘に傷を負わせる訳にはいかない。



遠くで火の手が上がった。どうやら向こうも守備よくいったようだ。



火事に気付いた家人がわらわらと飛び出してきた。


『やーれ、やれ。では、後始末といきますか』


カカシは影分身に娘を任せ、消火に出てきた者達を後ろから静かに忍び寄り抹殺していく。
後ろから首にクナイを当てかき切る為、返り血は浴びていない。
次々と倒れていく家人達。
炎の勢いは凄まじく、あっという間に工場を飲み込んだ。
夜明けまでごうごうと燃え盛り、些かの異臭をまき散らせながら、炎の舞いを見せていた。



そして、炎が静まり娘を大名に引き渡せば、自分達の任務は終了である。


カカシ達は眠ったままの娘を担ぎ、大名屋敷へと向かった。


引き渡してみれば、大名はさしたる感動もなく、だだ事務的に娘を受け取り、忍達にご苦労の声を掛け、屋敷奥へと戻って行った。






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