バレンタイン
任務から帰って来たら、机の上に手紙が置いてあった。
何の表書きもなく、誰からだろうと開けてみれば。
それはミナトからで、難解な字でメッセージが書かれていた。
おかえりカカシ
一緒にいられなくて残念だよ
帰って来たら、覚悟しといてね
愛してるよ
この難解な字をスラスラとまではいかなくても、読めるのはオレくらいだろうなと思う。
けれど、その文面任務につい頬が緩んでしまうのは仕方のないことだろう。
ふと気づくと、封筒の中に何か入っている。
封筒を逆さにして出してみれば、ハート型の小さなものが出てきた。
ピンク色のアルミで包まれたそれの匂いを嗅いでみれば、チョコの匂い。
そうして思い出す。今日がバレンタインだということを。
さりげなくこういう事をしてしまうミナトを凄いなと感心しつつ、小さなチョコは封筒の中にしまった。
帰って来たら、少し甘えてみようかな?
心温まる一人ぼっちのバレンタインだった。
11.02.05
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