BL妄想童話 赤頭巾ちゃん


昔々あるところに、とても可愛い男の子が住んでいました。
男の子は、カカシという名前がありましたが、お父さんが作ってくれた赤い頭巾がとてもよく似合っていたので、皆から赤頭巾ちゃんと呼ばれていました。
カカシはお父さんと死に別れてから、自来也と綱手夫婦に引き取られ暮らしていました。


ある日、綱手母さんがカカシを呼んで言いました。

「赤頭巾、ヒルゼン祖父さんが風邪をひいて寝込んでいるから、この薬を届けて来てくれないか?」
「はい、綱手母さん」

カカシは綱手母さんから薬の入った篭を手渡されました。
綱手母さんは、カカシが道々襲われはしないか心配でなりません。なにせカカシは誰もがうっとりする程の美少年だったのです。けれど、綱手母さんは医者の仕事があって行けないのです。

「気をつけて行くんじゃぞ」
「この頭巾を被っておいき」

綱手母さんは、カカシに赤い頭巾を被せました。
これなら、少しはカカシの綺麗な顔を隠せます。

「寄り道をせず、まっすぐ行くんだぞ。それから大蛇丸には気をつけるんだぞ。狼だからな。話し掛けられても、無視するんだぞ」
「はい、大丈夫です。行ってきます」

そう言って、カカシは元気よく出て行きます。
カカシは優しいヒルゼン祖父さんが大好きでした。
ヒルゼン祖父さんの話はとても楽しく、カカシの知らない世界の話はカカシをとてもワクワクさせたのでした。
そして、森の中にあるヒルゼン祖父さんの家に、時々遊びに来る猟師のミナトがカカシは大好きでした。金の髪と青い瞳で、ミナトはとても物知りだったのです。
ミナトと話をするのが、カカシにとってもう一つの楽しみでした。
暫く歩いて行くと小さな犬が蝶々と戯れています。カカシは一緒に遊びたいと思いましたが、綱手母さんの言い付けを思い出し、我慢して先を行くことにしました。
すると、それを見ていた大蛇丸が来て言いました。


「あら、赤頭巾ちゃん。行っちゃうの?あの犬、あなたと遊びたそうよ?」
「でも…綱手母さんからまっすぐ行くように言われてるから…」
「少しくらいなら、大丈夫よ。ほんの少しだけ遊んだらすぐ行けば。ほら、花だって綺麗に咲いているじゃない。ね?」

大蛇丸にそう言われて、カカシも少しだけならと、顔がくしゃりとつぶれたパグ犬と花を摘みながら遊ぶことにしました。
カカシが犬と遊び始めると、大蛇丸は先にヒルゼン祖父さんの所に行きました。

「誰じゃ?」
「私よ、大蛇丸」
「おお、大蛇丸、久しぶりじゃの」

大蛇丸が入って行くと、ヒルゼン祖父さんはベッドに寝ています。

「あら、どうしたのよ?寝ているなんて珍しいわね」
「ちと、風邪をひいてしまっての…。それより今日は何の用だ?」
「ふふ…実はね…」

大蛇丸は、あろうことかヒルゼン祖父さんを縛ってしまいました。
そしてベッドへ腰掛けると、カカシが来るのを待ちました。


カカシは楽しくパグ犬と遊んでいましたが、ヒルゼン祖父さんの所に行かなくてはいけない事を思い出し、後ろ髪引かれる思いでパグ犬に別れを告げ、歩き出しました。

「こんにちは、ヒルゼン祖父さん」
「あら、けっこう早かったのね」

ドアを開け、入った先には大蛇丸がベッドに腰掛けてカカシを待っていました。

「どうして、大蛇丸さんがここにいるんです?」
「それはね、赤頭巾ちゃん、お前を私の花嫁にする為だよ」
「はあ?オレ、男ですよ?花嫁なんてなれませんよ」
「ところがなれるのよ」

大蛇丸は立ち上がりカカシに近づくと、ビリビリとカカシの服を破いてしまいました。

「なっ、何を!?」
「言ったでしょう?あなたを花嫁にするのよ。ヒルゼン爺さんには、証人になってもらうわ」

そう言うと大蛇丸はカカシを羽交い締めにし、身体を弄り始めました。

(やめんか!馬鹿もの!)

ヒルゼン祖父さんが叫んでも、口を粘着テープで抑えられている為、言葉になりません。

「止めてっ!いやっ!…あっ…」

大蛇丸がカカシの乳首を摘むと、カカシから可愛い声が漏れました。あまりの色っぽさに大蛇丸の動きが一旦止まりました。

「…随分可愛い声だすのね。もっと聞かせてちょうだい」

大蛇丸は更にカカシを弄ります。

「嫌っ!嫌だ!止め…あ…ん…誰か、助け…」

そこへ、通り掛かったミナトがカカシの悲鳴を聞き付けます。ミナトは何事だろうとヒルゼン爺さんの家に入りました。すると大蛇丸がカカシを組み敷いているではありませんか。
ミナトは鉄砲を構えて言いました。

「大蛇丸、止めるんだ。止めないと撃つぞ!」

すると大蛇丸はカカシを盾にして言いました。

「撃てるものなら撃ってごらん。赤頭巾が犠牲になってもいいならね!」

ミナトは銃を構えたまま、動くことが出来ません。カカシを撃つわけにはいかないからです。
そこへ小さな犬が飛び出して来て、大蛇丸に飛び掛かりました。

「何するのよ、このバカ犬!」
「パックン!」

パックンと呼ばれた犬を振り払う為、大蛇丸はカカシを離してしまいました。その隙を逃がさず、ミナトは大蛇丸を撃ちました。
弾は大蛇丸の足に当たっていました。

「今日の所は引いてあげる。けど、次は必ず頂くわ。覚えてらっしゃい」

大蛇丸はそう言うと、足を引きずりながら出て行きました。途中、川辺りで足を滑らせ川に落ちて流されてしまいました。

「ん。悪い狼がいなくなって一安心だ」

ミナトはカカシを助け起こし、ヒルゼン祖父さんも助けるとニッコリと笑いながら言いました。

「ケガはないかい?」
「はい…恐かった…」

カカシはぽろぽろと涙を零しはじめ、ミナトはそんなカカシを優しく抱きしめました。

「ん…恐かったね。もう大丈夫だから」
「お…オレ、大蛇丸が花嫁って…」
「そんな戯れ事気にする事はないよ。お前は綺麗なままだから。ん、でも服がボロボロだね。家においで。少し大きいだろうけど貸してあげるよ」

カカシはミナトの家に行き服を借りました。

「ん、ちょっと大きいけど、可愛いよ」

ミナトはカカシの額にキスをしました。カカシは頬を染めてミナトを見上げます。

「そんな可愛い顔をしたら、お前を嫁にしたくなっちゃうだろ?」
「よ、嫁? 大蛇丸も同じ事を言ったよ? オレ男なのに…」
「男同士でもね、愛し合える事は出来るんだよ」
「そうなの?」
「試してみる?」

そう言うと、ミナトはカカシに口づけました。カカシはあまりの気持ち良さにミナトに縋り付きました。
気がつくと、裸でミナトとベッドにいて、痛みと気持ち良さに意識を失っていたのでした。

「ごめんね。大丈夫?」
「うん…」
「オレの事、怒ってる?」
「どうして?」
「お前にこんな事してしまって」
「そんな事ないよ。痛かったけど、気持ちよかったし…オレ、ミナト兄さんのお嫁さんになったの?」
「そうだよ。好きだよ、カカシ」
「オレも…」

二人は誓いの口づけを交わしました。
その後綱手母さんに結婚の報告をすると、綱手母さんは、二人が幸せならと結婚を承諾してくれました。
カカシは助けてくれたパックンとも暮らしたいと一緒に暮らし始める事にしました。

二人と一匹は幸せに暮らしましたとさ。
めでたし めでたし。




10.11.29






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