閨 (ナルカカ)
「ったく…いくら溜まってたからって、一晩に何回もって…勘弁してちょーだいよ…」
事後の熱が引いた頃、センセーはそんな事を言ってきた。
オレじゃなくて花街行ってきなさいよ、とも。
そうか…センセーはオレとの関係をそう位置付けたいんだ…。
いいよ
センセーがそう望むのなら
今暫くはそういう関係でいてあげるってばよ。
だけど、センセー。
それは、後少しだけだぜ?
センセーを雁字搦めにして、オレから逃げ出せないようにしてから教えてあげる。
センセーはオレの愛する人だって。
「だって、しょーがないじゃん。オレってば若いんだし!」
どうせオレは年寄りだよ、そう言ってセンセーはわざとらしくため息を吐いた。
いつか、その遠くを見る瞳を全てオレの方に向けさせてやる。
そう心で誓いながら、オレはセンセーの唇を啄んだ。
10.11.21
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