夢 その2(ナルカカ)




触れられるのが嫌で身を捩った。途端腰に走る痛みに身動き出来ない。


「うっ…」


「どうした、せんせー?」



カカシの小さな呻き声にナルトの目が覚めた。



「な…んでも、ない…」
「せんせー、泣いてるのか?」


カカシの涙声に驚いて身を起こせば、「泣いてない」とカカシは顔を背ける。
カカシの頬に流れる涙を拭えば、

「オレに触るな!」

と手を払われた。


「ど、どうしたんだってばよ?」


いつもと様子の違うカカシが心配になり、肩に手をかけ覗き込むナルト。


「触るな!女に触れたその手で、オレに触らないで!」



カカシの抵抗に驚くと同時に、身に覚えのない事を言われてしまった。
カカシと恋人関係になってからというもの、女を抱いた事などない。
それなのに、何故こんなことを言われなければならないのか。
きっとカカシは勘違いを起こしているのだろう。


「カカシせんせー、勘違いだってば。オレは女なんか抱いてないってばよ」
「離せ!嫌だ!」


聞いちゃいなかった。
カカシの抵抗は激しいものだった。いつも軽く押さえ付けられるのが、今はかなり力を込めないと難しい。
普段のカカシの抵抗が、如何に形ばかりのものかわかるというものだ。
今ここでカカシを放してしまえば、もう二度とカカシと愛し合えることは出来なくなるような気がして、ナルトは必死になってカカシを押さえ付けた。


「カカシせんせー、落ち着けって」
「い、やだ!センセ!離して!」
「先生!!」


カカシの頬からパチンと軽い音が響いた。


「あ…ナル…ト?」


驚きに見開かれた色違いの瞳がナルトをしっかりと捉えた。と、カカシの身体から力が抜けていく。



「大丈夫か?せんせー」
「え? ああ、ごめん。夢見てたみたいだ…」



「…どんな夢見てたか知らないけどさ、オレはせんせーだけだから」
「は?」
「だから…、オレのものでいてくれよ…」

「…オレのものって…オレをお前のものにしたのは、ナルト、お前でしょ?」
「あ、あはは…」



はあ〜と大きく息を吐いて、カカシの胸の上に伏せた。
トクトクと規則正しい鼓動が聞こえてくる。その心地好い音に聴き入っていれば、カカシがそっと髪を撫でてくる。
薄く目を開ければ、小さな突起が目に入る。眠る前にはプックリと芯を持ち、ナルトの唇や指に嬲られ続けたそこも小さく畏まってちょこんと存在している。
そっと触れれば、カカシの手がそれを阻む。
身を起こし、反対の乳首を口に含めば「あっ」と小さな声が洩れた。


「ナルト、もうムリだから…」


そう言われても構わず続けた。数時間前まで愛されてきた身体だ。すぐに芯を持ち、プクリと存在を主張する。
感じやすいカカシは、ここを弄れば自身の雄もすぐに頭を擡げ始める。
そしてそれはすぐに固くなり、雫を溢れさせ、色違いの瞳をも涙で滲ませるのだ。



そうだ。カカシが泣くのはセックスの時だけでいい。悲しくて泣くなんてしなくていい。
オレがそんなことさせない。夢見て泣くなんて、しかも自分の親父が原因なんて堪らなかった。
カカシが心の奥底で愛しているのは自分の父親だというのは理解している。
それでも構わないと思った。それごと全てカカシを愛していくと誓った。


それさえ強引にカカシを抱いて「うん」と言わせたのだ。
失うばかりだったカカシ。ミナトとの愛し合っている幸せな時間さえ、悲しみを含むものだった。
だから、カカシは幸せになることに臆病になっている。
幸せになっていいのだと教えたい。
怖がらずに、この手を取って欲しい。


だから──



「せんせー、愛してる」




10.07.05






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