可愛い中年 (新カカシ班)



何かの弾みで中年の話になった。


「29で中年はないだろう? 青年と言ってもらいたいね」

「ヤマト、そんなにムキにならなくても…」

「あ、先輩ひどいです。そりゃ先輩は30越えてるからいいでしょうけど、僕はまだ20代なんです」

「…何気に酷い事言うね」

「はは…、オレ達からみれば、二人ともりっぱな中年だってばよ」

「ナルト、お前もさりげなく酷いね…」
「ゴメンせんせー。ヤマト隊長は別として、カカシ先生は可愛いおっさんだってばよ」
「ナルト、僕は別って、僕の事は中年扱いかい?」
「だって、オレら19だもん。29の隊長はりっぱな中年だってばよ」
「カカシ先輩の事は可愛いって言ったくせに」
「だって、ホントに可愛いんだからしょーがないだろ?」


「…可愛いはないでしょ。他に何か言いようがあるでしょーが」
「え? 何かある?」


ナルトはサクラと顔を見合わせる。二人揃ってう〜んと考え込んでしまった。


「サイ、お前なら何か言いようがあるんじゃないの?」
「僕ですか?」


サイもまた考え込んでしまった。


「まったく…」


カカシは大きくため息をつく。


「でもカカシ先輩が可愛いってのは納得しますね」
「ヤマト、お前まで」
「だろ、だろ? やっぱカカシ先生は可愛いんだよ」


ナルトの言葉にウンウンと頷くサクラとサイ。
その反応に納得出来ないという顔をするカカシ。


「カカシ先生は何と言って欲しいんですか?」


カカシの様子にサイが尋ねる。


「んー、かっこいい中年?」
「ぶっ」


そのセリフに吹き出すナルトとサクラ。そして傷つくカカシ。
がっくりと肩を落としたカカシにサクラが言った。


「違うわ、カカシ先生。任務の時の先生は本当にかっこいいのよ。嘘じゃないわ。だけど、それ以外のカカシ先生は抜けてるんですもの。なんかほっとけないというか…」
「そうそう、そうだってばよ。カカシ先生はつい構いたくなっちまうんだよな」



そんな事を言われて何と返したらいいか分からない。


「…可愛いって、普通女の子に使う言葉じゃないの。男のオレに使うのはおかしいんじゃない?」


尚も反論を試みるが…。



「ンなことねぇってばよ!カカシ先生は可愛いーの!!」


ナルトに断言され、その話は終わりとなった。

一人納得出来ないカカシを残して。






10.06.26






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