Garden


秘密の箱


参加者


総評.シルフ
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蔵未さん総評

「いかり」を見せつけたい。
「たのしい」気持ちなんて閉じ込めてしまったほうが楽だ。
「かなしみ」なんて、いらない。必要ない。見たくないのに。

「怒り」は晒され、笑われるべきだ。
認めて。認めて。認めろ。
見て。見て。見ろ。
貴女のしたことを。

「楽しみ」は、檻の中に閉じ込めよう。
だって、どうせ手に入りやしない。
俺のものにならないなら、いっそ。

「悲しみ」なんてほしくない。
耐えられない。いらない。自由になりたい。
あんたさえなきゃもう少し息がしやすい筈なのに。


強い人を、あるいは弱い人を見ると「怒り」を覚えると君は言った。
ぽつりぽつりと。最後に少し、ためらいつつ。

人と関わることが「楽しい」と君は言った。
会話をかわすことが。
そばにいることが。
話しかけてくれることが。
でも同時に、自分のような者が好かれるはずがないと、瞳に影を落としていた。

独りは「悲しい」と君は言った。
悲しい。
寂しい。
そばにいて。
でも言えない。
だって、いちいちそんなことを口にしていては、重荷になってしまう。
いらない荷物は、捨てられる。

そして君は、「喜び」をその手に残した。
ためらい、卑下し、恐れる君が、手に残したのは「喜び」だった。
その理由はきっと・・・いや。
本当のところは、きっと私には計り知ることができない。
だってそれは、彼にだけ手渡された秘密だから。

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自分に厳しいというより、罪悪感の人。劣等感の人。自分を罰する人。
自分をどこか罪人のように思っている人だな、という印象です。
これについては後ほど。

未知のものに対する恐れは人並み。
しかし、例えば「ここは映画館で、映画を鑑賞する場面なんだな」と思ったら、
なんとなくでポップコーンを口に運んだりと、
一旦状況を確認するとすぐその状況に合わせようとするので、
適応力が高、い人・・・適応力なのかなこれ。

また、ライオンが自分の姿に変わった際、
楽しそうにしている自分に不快感を覚えていることから
「自分はなにかを楽しむべきでない」と思っているのかな、と。
自分は罪人だという自覚を抱えています。
自分にはそんな資格なんてないのに、なんで、そんな顔をしているんだ。
自分が好かれるはずがないという思いが強いのも、罪人の自覚からかしら。
とにかく対人関係における自信がありません。
特に、自分がなにも支払っていない関係に対する自信が。
その代わり、ギブアンドテイクな関係になると比較的精神が安定していますね。

「いかり」の回答を見るに、どこか劣等感に支配されています。
強さを持っている人が、生まれながらにアドバンテージを持っている人が羨ましい。
そして昔の自分を見るような人は、自分の醜さを自覚させられるので殺したくなる。
なんて惨めなんだろう。
こうなったのは貴女のせいだ。
見ろ。
こうなってしまった俺を。
貴女の犯した罪を。
それと「……そういう時に、多分、俺は、……腹立ってんじゃ、ない、かな」と、
語尾にいくにつれ言葉が途切れ途切れになり、
かつ曖昧な言い方になっているのは、
「こんなことを言って、引かれてしまったらどうしよう。嫌われたらどうしよう」って
心配になったのかなと思いました。
まあ、ただ単に自信がないだけかもしれませんが。
「たのしみ」「かなしみ」の回答からは、寂しがりやな一面が伺えます。
愛される自信が、そして愛され続ける自信がないことも。

蔵未さんにとって「かなしみ」は、見たくないのに
気がつけば目で追っている存在なのかな。ある意味、まさに憧れ。

まとめると蔵未さんは、
劣等感が強い人。
愛を渇望しているけれど、捨てられることを恐れるあまりそれを表に出せない人。
貴女のせいでこうなってしまった人。
差し出せるものならあげるから、どうか見返りをください。
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