Garden


秘密の箱


参加者


GM.千穂
PL.ソヨゴ/蔵未 孝一
--------------------

GM:これより、GARDENシナリオ「秘密の箱」TPを開始いたします。
よろしくお願いします!
蔵未:よろしくおねがいします!
GM:蔵未さん。あなたは拠点にて、部屋の掃除をしていますね。
GM:さて、引き出しの中からでしょうか。見慣れない鍵を発見します。
どこで手に入れたのか、何時の間にこんなところにしまったのか。
あなたは不思議に思いますね。
蔵未:「何だかんだ持ちモン増えたな……ん?」
散らかった服を片付けてたら鍵を見つけて、手に取りつつ首をひねります。
GM:鍵は銀色をしていますね。材質も銀でできているようで、きらきらしています。
大きさは15cmほどで、少し大きめです。なので、ちょっとだけ重いですね。
蔵未:「こんなでけえもんどこで……手に入れた覚えねえぞ」
GM:蔵未さんは疑問符をうかべながらも、掃除をつづけます。
GM:その日は、銀色の鍵を見つけたこと以外は、特に何もない一日でした。
GM:蔵未さんは掃除の疲れをじんわりと感じながら、眠りにつきます。
蔵未:床に入れば3秒で寝ます。
GM:ぐう。では蔵未さんは深い眠りへと落ちて行きます。
GM:すると、夢を見ますね。
GM:夢の中の自分は、一つの扉の前に立っています。
GM:手には、昼間手に入れた銀色の鍵。
GM:扉にはどうやら、鍵がかかっているようですが・・・?
さて、どうしましょう。
蔵未:まずは周囲に注視。扉も含め。
GM:周囲は暗闇が広がっていますね。ぽつん、と扉だけそこにあります。
蔵未:では、扉に耳を当て、聞き耳してみます。
GM:聞き耳をすると、・・・奥に空間があるような感じがしますね。
蔵未:「……この鍵、だよなあ」
蔵未:なんならここでじっとしてようか、とも思いつつ、
他にやることも無いので恐る恐る、手の鍵を差し込んでみます。
GM:かちゃり。扉の鍵は開きましたね。
蔵未:「……開けなきゃダメかなあ、……」
蔵未:何となく気乗りしないものの、ノブに手をかけ、ドアを開きました。
GM:では、蔵未さんが扉を開くと。
地面がふっとなくなる感覚がして、そのまま闇の中へ落ちて行きます。
蔵未:「う、わ!?」
GM:──ごめんね、君のこと、ちょっとだけ教えてほしいんだ──
GM:そう、声が聞こえましたね。
GM:蔵未さんが気がつくと、
GM:ふかふかの椅子に座っており、膝にはポップコーンがあります。

周囲を見渡すと、同じような椅子がずらっと並んでおり、
目の前には大きな映画のスクリーンがあります。
・・・どうやらここは、映画館のようですね。

あなたがそれを確認すると、スクリーンの幕が上がり、映像が映し出されます。
蔵未:「……映画?」何となくポップコーンを口に運ぶ。
GM:映し出されたのは、
サーカスの舞台で活躍するライオン。
ライオンは人気者でした。
観客からの歓声を一身に浴び、彼は輝いていました。
GM:しかし、ある日ライオンはえさを与えられず、
お腹がすいて、ひどく気が立っていました。
その日のショーで、ライオンは人を噛んでしまい、檻に入れられてしまいます。
GM:檻の中でぐったりしていると、支配人がやってきます。
いわく、3日後には自分は銃で殺されてしまうのだと、ライオンは知りました。

ライオンは夢を見ます。
草原を自由に駆けている自分の夢です。

・・・そんな物語が、スクリーンには映し出されました。
GM:・・・ライオンの姿は、次第にあなたの姿に変わっていきます・・・
GM:さて、画面は暗くなり、あなたの周りも真っ暗になります。
GM:気づくとあなたは、四角い白い部屋に取り残されていました。
蔵未:「……は?」
蔵未:草原で駆け回っていても、上手く群れを作れるとも限らず、
餌が取れるとも限らず、サーカスで育って
野生を知らぬ自分では尚更生き残る事は難しく、
餓死して孤独に死ぬよりは、せめて大勢が見守る中
銃で殺してもらった方が遥かに幸せだな。なんて思いながら画面を見ていましたが、
ライオンの姿が自分に変わっていって、だんだん吐き気がしてきました。
自分が楽しげにしている姿がとにかく不快だった様子。
部屋に取り残されて当惑はしてますが、映像が消えた事には安堵してる。
GM:ありがとうございます。
GM:あなたの目の前には、ライオンのぬいぐるみが4つあります。
それぞれ、「よろこび」「いかり」「かなしみ」「たのしみ」と
札が首に下がっています。

あなたがそれを確認すると、部屋の中に声が響きます。

「その子たちを、君が正しいと思うところに置いてあげて。
 君があのライオンだったら、どうするかな?
 君が思うまま、君の気持ちにだけ正直に答えてね。
 
 ・・・そして、きみがどうしても自分の手に残したい気持ちだけ、持っておいで」
GM:「ちゃんと置いてあげられたら、道を教えてあげる」
GM:それだけ言うと声は途切れてしまいますが、
目の前に<サーカスの舞台><鉄の檻><青い草原>のセットがあらわれます。
GM:ぬいぐるみを、セットの中に置くことができます。
GM:以下、ご自由にロールをどうぞ。
蔵未:「……」とりあえず、かなしみ、のぬいぐるみを手に取ってみる。
GM:かなしみのぬいぐるみは、眉を下げて涙をこぼしていますね。
蔵未:「どう思うったって……俺とライオンじゃ本能が違えよ」
蔵未:蔵未はかなしみのライオンを抱えたまま、
セットを見つめて、<青い草原>のところに置きました。
GM:はい、では、かなしみのライオンを<青い草原>へ置くと、声は言います。
GM:「君はその子が、自由になるのを望む?君の手を離れていってしまっても、いい?」
蔵未:「いいよ。こんな物欲しくないから」
GM:「・・・そう。じゃあ、その人形は、そこに置いておいき」
GM:【Inside Heart】
GM:「残された人形は、あと3つだね。ゆっくり、考えていいよ。答えは君の中にしかないから」
GM:「一度置いた人形を、後からとりかえるのも君の自由だよ」
蔵未:続いて蔵未は、たのしみといかりを見比べて悩んだあと、いかりをサーカスの舞台に置いて、たのしみを鉄の檻に置きます。
蔵未:置いたけど、まだ迷っているみたい。
GM:では、サーカスの舞台に「いかり」の人形を置くと、声は言います。
GM:「君はその子が、舞台に立つことを望む?大勢の前で指をさされたり、笑い物になってもいい?」
蔵未:「……いや、……そう、なるべきだ」
GM:「・・・そう。じゃあ、その人形は、そこに置いてお行き」
GM:そして、鉄の檻に「たのしみ」を置きましたね。
GM:声は言います。
GM:「君はその子が、檻に入ることを望む?そこから一生出てこれなくて、一人きりになってもいい?」
蔵未:「そう、なってほしい。その方が楽だ」
GM:「・・・そう。じゃあ、その人形は、そこに置いておいき」
GM:「君が残すのは、<よろこび>の人形だね」
GM:「じゃあ、道を教えてあげよう」
声がそういうと、扉が現れます。鍵はかかっていませんね。
GM:さて、蔵未さん。
蔵未:はい!?
GM:あなたは、サーカスの舞台に「いかり」の人形、鉄の檻に「たのしみ」の人形、青い草原に「かなしみ」の人形を置きました。
・・・そして、手に残したのは、「よろこび」の人形。

この答えに、迷いはありませんか?あるいは、迷いを抱いたまま扉をくぐるのもよいでしょう。
それぞれの人形について思いがあれば、ここでロールをどうぞ。 なければ、扉をくぐってください。
蔵未:だって、見てほしいから。
俺がどれだけ苦しんできたのか。
どれだけ貴女を憎んでいるのか。
それでも愛し続けてきたから。
認めてほしい。
認めろ。
見ろ。
これが貴女が粉々に砕いた心の末路だよ。

蔵未:楽しい事なんて欲しがってもキリがない
どこかへ閉じ込めて、見ない振りをするのが一番
それが一番ラク
どうせ手に入らないし
虚しいだけだから
そこから出てこないで
どうせ俺の物にならないなら一生檻の中にいればいい
蔵未:こんなものばかり見ていたくない
早く自由になりたい、やっと眠りについても
自分の中に何も無いのに耐えられなくて目が覚める
いなくなってくれ
どうぞご勝手に
あんたさえいなきゃもう少し息がしやすい筈なのに
蔵未:……でも君だけは傍にいて。あなたが居なきゃ生きていけない。
GM:ありがとうございます。では、扉をくぐりますか?
蔵未:人形への思いは、順番に、こんな感じです。迷いは、多少ありますが、これ以上考えても結果は変わらないだろう、とも思っている様子。
やがて<よろこび>のぬいぐるみを抱えたまま、扉をくぐっていくと思います。
GM:では、蔵未さんが扉をくぐると、一つ目をぎょろりさせたこうもりが、あなたを先へ案内します。
蔵未:訝しみつつもあとを着いていきます。
GM:では、そのまま暗闇の中を歩いていると、サーカスの舞台に立つあなたが見えてきます。
GM:舞台に立つあなたは、怒り、もがき、叫び声をあげていますね。観客は怯えています。
蔵未:ふい、と目を逸らします。取り乱した自分なんて誰も見たくないだろ、とでも言いたげ。
GM:声は言います。
「きみがあそこに置いたのは、ほかの人にもっと"見てほしい" "知ってほしい"と思っている気持ちだよ。
 君は<いかり>をそこに置いたね」
GM:「舞台に立っている君は、<いかり>をあらわにして、観客を睨みつけているね。
 はらだたしい、にくましい、おさえきれない怒りの気持ち。
 君はどうしてもこの気持ちを、見ている人に知ってほしいみたいだ。
 観客の人たちは、君のその姿を見て、君の怒りを知り、反省した人もいただろうね」
GM:君を見る人は、みな恐れを抱いている。
GM:「・・・聞かせてほしいな。 君は、どんなとき、<いかり>を感じるの?」
蔵未:「“どんなとき”……」
蔵未:「たとえば、幸せそうな人を見ると」
蔵未:「優しい人を見ると。何の悪意も無く、打算も無く、人に優しくできる人を見ると」
蔵未:「そう育てたことが羨ましくて」
蔵未:「分け与えるほど愛があるのが」
蔵未:「そして自分が強者だときっと気付いていないのが」
蔵未:「腹立たしい」
蔵未:「昔の自分を見るような人も」
蔵未:「醜くて」
蔵未:「卑しくて」
蔵未:「今すぐにでも殺したくなる」
蔵未:「なんて惨めなんだろうと思う」
蔵未:「……そういう時に、多分、俺は、……腹立ってんじゃ、ない、かな」
GM:「・・・そう。きみの<いかり>はそうやってできているんだね。・・・おれは、君の怒りを知って、君を恐れ、また、君をもっと知りたいと思った」
GM:「じゃあ、次だよ」
GM:続いて、檻の中にはいっているあなたの姿が見えてきます。
GM:檻の中にいるあなたは、楽しそうに、笑顔を浮かべて、安心しきったような顔をしていますね。
GM:「きみがあそこに置いたのは、"隠しておきたい"、あるいは"感じることに罪悪感のある気持ち"だよ。
 君は<たのしみ>をそこに置いたね」
蔵未:「……そうだな」
GM:「檻に入れられた君は<たのしみ>に満ちている。
 君にとってここは<たのしみ>の場所。たとえ一人きりでも、自由がなくても、
 ここは自分だけの遊び場なんだ。
 周りの人は君を哀れに思っているが、
 かける言葉が見つからないのだろう、みな近寄ろうとしなかった。
 君の<たのしみ>はそうやって隠されているみたいだね」
GM:「・・・教えてほしいな、君はどんな時に<たのしみ>を感じんだい」
GM:感じるんだい
蔵未:「……わかんないよ」
蔵未:「でも、……ひと、と……」
蔵未:「話してると、楽しい、……傍にいるのも」
蔵未:「誰かが俺に話しかけてくれるのも」
蔵未:「けど」
蔵未:「だって、俺みたいなヤツ」
蔵未:「好きになれないだろ」
GM:「・・・そうかな。でも、その問いはもしかしたら、君の感じはじめた<たのしみ>の姿かもしれないよ」
GM:「さて、次だね」
GM:続いて見えてくるのは、青い草原を駆けるあなたの姿。
GM:草原を駆けるあなたは、はかなげに、涙を流しています。それを振り切るように、駆ける、駆けていく。
GM:「青い草原の君は、よろめき、うなだれて、<かなしみ>を体いっぱいに表している。
 君は、そんな自分の姿に、あこがれ、胸を焦がしているんだ。
 同時に、この気持ちを、心のどこかで叶わない願いだと感じているようだね。
 このかなしみを、感じることができたら。涙の意味を知ることができたら。
 君はその<かなしみ>を、いつか手にできることを夢に見ているんだよ」
GM:「教えてほしいな・・・君は、どんな時に<かなしみ>を感じるのか」
蔵未:「……自分が、一人だと、思う時」
蔵未:「大事な人が自分の傍にいない時」
蔵未:「でも、いちいち寂しがってるんじゃ」
蔵未:「迷惑だし」
蔵未:「邪魔だし」
蔵未:「面倒だし」
蔵未:「……だから、言わないけど」
GM:「……そう。そうやって悲しむことは、君にとって手に届かないものなのかもしれないけれど……君の悲しみを知ってくれる人と、いつか出会えるといいね」
GM:「さて、最後だよ」
GM:
「……教えてくれてありがとう。おれは、心を食らう悪魔。
 君の心のことを知りたかったんだ。
 ……お礼に、僕から手渡すものがある」
GM:「君が最後に手にした、その<よろこび>は、君の"取り戻したいもの"だよ」
GM:「さあ、その箱に人形を入れて、君が持っているはずの鍵で、その箱の鍵をしめてくれ」
GM:あなたの目の前には小さな箱があらわれます。鍵をかける穴がついていますね。
 あなたの手には、ここに来るときの扉で使った鍵が握られています。
GM:「それは、"秘密の箱"。おれの問いに答えてくれた君にだけ、その秘密は明け渡される」
蔵未:言われた通り、ぬいぐるみを箱に入れて、鍵をかけます。がちゃり。
GM:では、がちゃり、という音とともに。
GM:空間にはヒビが入り、ぼろぼろと闇は崩れていきます。
GM:そして、まばゆい光。
蔵未:思わず、目をぎゅっとつぶりますね。
GM:そして再び目を覚ませば、そこはいつもの、拠点のベットの上。
不思議な夢を見た気がする。……けれど、そこでの出来事はすべて忘れてしまった。
代わりに、<喜び>の記憶だけ、あなたの頭には残っていた……
GM:お疲れ様です。シナリオクリアとなります。
蔵未:わーい!!!
蔵未:面白かったアアアアア
GM:報酬は、スキルポイント50ptと、最後に持ち帰った「喜び」に関する記憶です。
蔵未:これ楽しいな……楽しい……
GM:ありがとうございました!最後に総評をまとめるので、少し待ってね。
蔵未:喜びか!!!!! ファーイ!!!
GM:よかったーーー!!!見てて楽しかったです
蔵未:えってことはマリア思い出すのか
蔵未:花霞で死ぬとこ思い出すのか
蔵未:役満
GM:絶望か
蔵未:悲哀だけでもヤバかったのに喜び持ち帰ったおかげで落差が
蔵未:しかも沢霧の事思い出してない 終わったな

GM:最後に、蔵未さんの回答についてのまとめです。

-----
秘密の箱 蔵未孝一

彼は、自分の「楽しみ」を罰し、檻の中へ閉じ込めた。
彼は、自分の「悲しみ」を遠ざけ、叶わない願いにした。
そして彼は、自分の「怒り」を、見世物のように暴きだした。

彼は見世物小屋のステージで、
観客の全員を血眼で睨んだ。
この怒りを、憎しみを、知ってほしい。
彼は心が壊れるまで、ずっとそう叫んだ。

冷たい檻の中。
彼はそこで「楽しみ」を感じた。
彼は一人きりの折の中、笑顔を浮かべていた。
そこでしか、感じてはいけないもの。
彼は安堵していた。
「楽しみ」を感じる自分が、檻の中にいるということに。

「悲しむ」ということは、遠くにあっていてほしい。
彼は草原をかける自分に、「悲しみ」を手放した。
こんなものはなくていい。
もしかしたら、彼は、
人並みに「悲しむ」ことも、
できなくなってしまったのかもしれない。

でも、そんなものより、
もっと、もっと知ってほしいことがある。
それは怒り。自分を壊した者への、消えない、憎しみ。
ただ、認めてほしい。彼は枯れた喉で、切にそう願った。

しかし、今でも望んでいる。
そばに「喜び」があることを、彼はいつも望んでいる。
この壊れた心でも、喜びに愛しさを感じている。
それは、寂しさや虚しさから?
それとも、愛しい誰かの姿が見えるから?

・・・わからない。それは彼にしか渡されていない、秘密だから。

-----
壊れて「しまった」人。という感じ。
それでも、最後に手にしたいものが喜び、なんだね・・・つらい。
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -