笑火様へA | ナノ

笑火様誕生日プレゼント



はい。と鮮やかな花束を渡されて、ふと首を傾げた。
誕生日でも無し、記念日でも無い(筈)だから何故花束を渡されたのだろうか…八左ヱ門は首を傾げて下を見下ろした。

そこにはニコニコと愛らしい笑みに包まれた愛すべき後輩達が一様に此方を仰ぎ見ていて
そんな四匹の子羊に囲まれるように三年生が俯き加減で花を一輪此方へと差し出して居るでは無いか…


それを受け取れば、孫兵は真っ赤な顔をあげて
潤んだ瞳で
















「久々知先輩とのご婚約おめでとうございますっ!!」

と、のたもうた…。
しかしながら八左ヱ門は同級生と婚約した覚えも無いし、将来を誓い合う仲ですらない。
…一気に血の気の下がった八左ヱ門は震える腕で後輩達の頭を撫で、誰が言ったのかを教えてくれないかなぁ?と、これまた震える声で訊ねてみる。

すればやはりと言うか、訊ねた時間が勿体無かったと言うか…


愛すべき後輩達は皆口を揃えて言うのだ。
「久々知先輩がそう触れ回っておりました!」
キラキラと瞳を輝かせながら…(約一名涙で瞳が煌めいていたが…)






「お、八左ヱ門ー!兵助と婚約したって話は本当か!?」

わらわらと、各方面から声を掛けられ
最終的には学園長先生にまでおめでとうと言われた八左ヱ門はまるで旋風の如く地を駆ける。

こんちくしょーっ!!
そう泣きながら怒鳴りながら飛び込んだ場所は元凶が居るだろう焔硝蔵。

そこではウェディングドレスを身に纏う兵助が八左ヱ門を待っていたという恐ろしい光景が広がっていたのであった……。





(いや、ここはオチとして「エイプリルフールだったんだよ!はっちゃん!」だろ!!)
(『婚約』の所が嘘で、本当は結婚なのだ)
(だからそんな約束して無いだろうぅ……)
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