冷めた子に遠回しにアタックしてると思われる千石





またふられたの、と彼は苦笑いで訊く。また、っていうのは私が今までどれだけの人と付き合ってどれだけの人からふられたのかを示している。といってもそんなに多くもないのだけど。
私は自分から告白というのをしたことがなければ、人をふったこともないし、付き合ってって言われたのを断ったこともない。でも好きなんて感情をもったことは一度もなかった。だから冷たいといってふられる。今回もそう言われたのだ。

「そりゃふられるよ」

「付き合うってめんどくさい、もう次から断ろうかな」

「めんどくさくない人ならいいんじゃない?」

「それはそれでまためんどくさい」

「なんで?」

「だって長びくじゃん」

そう言い放つと千石はあはは、そっか、とまた苦笑い。

「告白してきたのが好きな人だったらどうする?」

「私好きな人なんかいたことない」

「気になる程度でも?」

「うん」

「まじでー!」

「まじでー」

なにを今さら。そんなこと知っていたんじゃないのか、ああもしかして言ってなかったっけ。

「なに、私誰かと付き合ってた方がいいの?」

「いや、そうゆう訳じゃないけど」


08----

これがなんか途中でしっくりこなくて書き直して、「つまりは君が好きなんだけど」になるというわけです。