「おいしかったー、忍人って料理上手いよね。私も今度作ってみよかなこれ」
「…が、頑張ってくれ」
「うん楽しみにしててね!あ、それであれは?お誕生日といったらロウソク立ててふーって…」
「ああ、今持ってこよう」
「ええ!?」
「何だ自分で言っておいて」
「だって忍人がケーキって…」
「な、何がおかしい。君だって俺の誕生日には作ってくれただろう」
「いやいや可愛いなーって」
「わかったいらないのなら俺が全部食べる」
「誉めてるんだってば、照れ屋さんだなあもう」
「ち、違う!」

顔を真っ赤にして忍人は冷蔵庫へ向かった。うん、やっぱり可愛い。

「君ももう24か」
「忍人はまだ23だよね、あたしのが年上だ」
「それだけ老いているということだな」
「ちょっとそれおばさんってこと」
「そうなるか」
「くっそー、やだなあもう年取りたくないよ」
「まあ俺も今年で24だが」
「そうだよね一緒だよね」
「…それでその、君がまだ若いうちに、渡したいものがある」


まだ若いうちにってどういうことだ。私が心の中でびしっと突っ込んでいると忍人はおもむろに小さな箱を机の上に差し出した。

「プレゼント?」
「ああ、開けてみてくれ」

箱の大きさからして何かアクセサリーだろう。忍人が選んでたのかと想像すると少しおかしくて、それが嬉しくて、笑ってしまいそうだった。
思っていたよりも重たげな箱を開けると、中身は小さな指輪。でも小さく輝くのはきっと高価な宝石だ。

「これ、って、」

忍人は咳払いをしてから顔を上げて、真っ直ぐこちらに向き直った。私も真っ直ぐ彼の目を見る。

「俺と、結婚、してほしい」

まさかこんなことは予想していなかった。驚きで唖然としていると忍人は心配そうな顔をしたが、断られるとでも思ったのだろうか。そんな訳絶対ないのに。

「ぷ、プレゼントは俺、なあんて言うのかと思ってたよ」
「?そういうことにもならないか?」
「え、あ、そう?」
「同時に俺が君を貰うということにもなるな」
「そ、そうなるよねそうだよね」

忍人は真剣にこういうことを言うから困る。天然とはある意味最強だ。というか、ずるいと思う。

「どうした顔が赤いぞ、暑いのか?」
「お、」
「?」
「お、おふ、お風呂入ってきりゅ!」

ああ噛んだ。とりあえず返事はそれからしよう。


090830

ツンデレカップル(*^^*)彼女アホすぎる(笑)忍人のキャラ若干間違えてるような…ごめんなさい。
遅くなったけど涼姉お誕生日おめでとう!