真っ青な空の色がまだ瞼の裏に映っている。今日の空は面白いくらいに雲ひとつなくていつもより青かった。屋上のこの場所はとても陽当たりがいい。こんな日はここで寝転んでひなたぼっこ(昼寝)するのに最適だ。あたたかくて気持ちいい。冬だから風はやっぱり冷たいけれど。
「やっぱりここにいたんだね」
その声にぱっと目を開けると真っ青の中に綺麗なピンク色があった。同じクラスでクラス委員長の清水くんだ。あまり話したことはないけど知ってる。成績優秀で友達からもも先生からも信頼されていて、だから今もこうして問題児を探しに授業を抜けてこれたわけだと思う。
「やっぱりって?」
「たまに昼休み、ここで寝てるから」
「見てたの?」
「階段上っていくのをよく見かけるよ」
こんな凄い人が私なんかを見てくれてたなんて、嬉しい。私はクラスメイトA(もしかしたら通行人A)くらいのエキストラ並の人間なのにな。え、授業をさぼれば目立つだろうって?それはその通りだけど実はさぼったのは今日が初めてだ。
「でも珍しいね、君が授業に出ないなんて」
「そうだよ、寝るのはいつも昼休みなんだけどね、今日はあまりにも天気がいいからつい寝過ぎちゃって、いやさっきは起きてたんだけど脳がまだ寝てたってゆうか」
「言い訳かい?」
「え、いや、そんなつもりは、…ごめんなさい」
その柔らかい物言いと笑顔の裏に何か威圧感を感じてとりあえず謝っておいた。私は平和主義者だからこういう人に反抗はしない。事はなるべく穏便に済ましたほうがいい。あははと愛想笑いをすると清水くんも柔らかく笑って反省してるならいいよ、と言ってくれた。
「じゃあ大人しく教室に戻ります」
「もう戻っちゃうの?」
「だって連れ戻すように言われたんでしょ」
「探してたことにしとけば先生も納得してくれるよ」
いやそれは多分あなただけに限られてると思いますが。そう突っ込みそうになったが声には出なかった。それほど衝撃だった。あの真面目で先生からの信頼も厚い清水くんがこんなこと言い出すなんて。
「清水くんて腹ぐ…だね」
「何で濁したの、普通にわかるけど」
「いやあ、あははー」
また笑って誤魔化して、再び寝転んで寝たふりをした。目を瞑ったからわからないけど多分その時清水くんも私の横に並んで寝転んだんだろう。
090112
話し方とか全然わからないですごめんなさい。
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