「骸・・・?」
振り向くと向けられていた銃口。脳は考えることさえできず硬直する。だって今まで愛してくれていると信じていたあなたがそんなことをするなんて夢にも思わなくて。本当は分かっていたのかもしれないけど理解するのを拒んだのは紛れもなくあたしだ。
「おや、気づかれてしまいましたか」
そう言いつつ、気付かれても何の障害にもならないという余裕の笑みを浮かべる。
「怖くないのですか?」 「・・・・・・」
怖いとかそういう問題じゃない。どうして、どうして。
「楽しかったですよ、さようなら」
ああ、あなたは敵だったんだね。あたしを殺しにきたんだね。銃声がなったところでやっと理解した。
それなら、あんなに優しくしてほしくなかった。あたしを愛したふりをしてほしくなかった。
花蘓芳 (どうせなら気付く前に殺してよ)(それなら幸せなまま死ねたのに)
080429
(花蘓芳:花言葉は裏切り)
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