「にゃー」
「どうしたの」
「猫のまね」
「そりゃわかってるけど」
そう返してもなおふわふわした笑顔のジローちゃん。こんなに冷たい反応なのに、傷付かないのかねえ。
「あーう」
「今度はなに」
「猫のまね」
「猫はにゃーでしょ?」
「発情期の猫はこう鳴くんだよ」
「ふーん」
うそくさい、そんなの聞いたことないよ。あ、また薄い反応しちゃった。あたし甘えてるのかも、ジローちゃんが何言ってもにこにこしてるから。ごめんね、こんな性格で、残念ながらもう定着しちゃってんだ感情を顔にうまく表せられないんだごめんね。ジローちゃんが今度は何か企んでるみたいに笑った。
「発情期なんだよ」
「わか、!」
わかったって何で二度も言うの、と言う前に腰かけてたベッドに押し倒された。ああそういう意味ね。無防備にベッドなんかで喋るんじゃなかったなあ、盛りやがってこの野郎。
真っ盛りのお年頃 (あーうって鳴いてね) (やだよ変態)
080728
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