「何勝手に人のもん使おうとしてん」

「はいはい貸してくださいね」

「腹立つなその言い方」

「お前かって腹立つわ何やねんその態度」

「はいはいすいませんね」

さっきの一氏の言い方を真似て仕返のつもりで言い返す。そこで口論は終了だ。なんであたしはいつもこんな態度しかとれないのだろう。はさみくらい、他の子にするみたいに、どーぞって笑って貸してあげればいいのに、どうしてかあたしにはそうできない。だから一氏も笑ってくれへんねん。あたしがこんなんやから、しゃーないんやろうけど。



いつもいつも俺にだけはその態度。俺のせいか?何やねん。普通にせえよ。俺のこと嫌いなんか。そう、心の中で散々愚痴を溢す。腹立たしいのはあいつのその言葉や態度自身ではない、俺にだけあんな態度だということが気に入らないんだ。もっと笑えよ、いや、やっぱりそうしないといけないのは俺のほうか。こんな態度で、優しい待遇を求めてること自体おかしいんだ。



意地
(いらないのに、こんなもの)


080727