アパートの前に人が倒れている。

 わたしは思わぬ遭遇に足が止まった。………え、なに、夢?幽霊?一瞬飛んだ思考は、男の子がもぞっと動いたことで慌てて戻ってきた。事件だ。これは完全に事件の匂いがする。とりあえず警察に連絡したほうがいいよね。警察に連絡すればどうにかしてくれるよね。いや、まず、救急車かな。…どっちでもいいや。とりあえず、声けてみよう。よし。
 わたしはおずおずと男の子に近付いて、顔をのぞき込んでみる。おお、イケメンさんじゃないか。


「あのー、すみま、わあ」


 ぱちっ、と突然目を開けた男の子に、わたしは我ながら感情のこもっていない声が出た。うん、見れば見るほどイケメンさんだ。将来有望過ぎる。なんて、わたしは全く危機感のないことを考えていた。だってこの男の子、今の自分の状況もわかってないみたいにきょとんってしてるんだもん。たぶん年下だし。じっと見つめてくる男の子に、わたしは一応微笑みかけてみた。ら、男の子が突然起き上がって、きらきらとした目をわたしに向け、とんでもない爆弾を落としてきた。


「ぼくを拾ってくれませんか」






――――――――――

この物語は、にんたまを拾って一緒に住むお話です。
にんたま達はトリップしてきたわけではありません。ある日突然落ちてます。
見た目は現代仕様。名前はそのままですが、主人公は現代になじむような呼び方をしています。ご了承ください。
にんたま達の学校は?そもそも生活できるの?等など、細かい部分はあまり気にせずに、にんたま達との二人暮らしを楽しんでいただければ幸いです。



◎主人公
大学生でひとり暮らし。
学校とバイトを往復する日々。
なるようになる精神で、勢いで決断することもしばしば。




120406〜




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