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取り敢えず。
事の経緯の前に俺の自己紹介をしようか。
俺が中学から通っている、幼等部から大学
院まで詰まってるマンモス学園、『色舞学
園(シコマイ ガクエン)』の今年ぴっちぴちの高校
一年生の橘 白瑛 タチバナ セキエイ (15)好きなモノは甘いもの。
コンプレックスは色素が薄すぎて小さな頃
からいじられていた銀髪とエメラルドグリ
ーンの目。
いまはカラコンで誤魔化しているが髪はそ
のまま。
以上。
それじゃあ。
事の経緯を話そうか。
今年6月、そうあれは小雨降る肌寒い日。
季節外れの転入生がやって来た。
※#◎
ザワザワ
「おーい、うるせえぞ〜。席つけ〜」
俺達1−Eの担任坂崎(一見ホスト野郎だ
が、ただの元ヤン野郎)はたるそうに言う
。
どうやら噂の転入生が今ドアの外にいるの
だろう。
クラスの奴らの大半がドアに視線が釘づけ
だ。
「馬鹿だよな〜どうせ、男子高だからオン
ナ何て来ねぇのによ〜」
と、そんな奴らに向かって呟く俺の友達の
1人。
真嶋 荘司マジマ ショウジ
無駄にイケメンな野郎の1人だ。
明るい茶髪に俺が女ならほっとけない甘い
マスクの持ち主である。
ちなみに見た目のチャラ男まんまの下半身
野郎です。
「まあ、バイとホモが9割を占めるホモ高
だからな〜。しょうがないだろ」
「うえ〜。男とかまじ無理だわ、俺。ああ
、でも瑛ちゃんなら全然OKだよん」
「馬鹿か。お前が良くても俺が無理」
さわさわと腰を撫でてくる手をどかしてい
ると、ガラリ、とドアが開いた。
「「「ウォオオオォォッッッッッ!!!!」」」
どうやらクラスの奴らの口も一緒に開かれ
たみたいだ。
うん。五月蝿ぇ。
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