とある出来事に俺達7人は気付いてしまった。この繰り返される無限の法則に。
そしてその中心にはある日記帳が関わっていると。
それはあの日、俺と×××が出逢い書き進めた日記帳。その日記帳に書いたのはとある逸話。真実と嘘と未知の世界を描き起こってしまったこの世界。

何故その日記帳が此処にあり、そして××××××だったのか。
だからこそ俺達は謎を解かなければならない。救うためにも必要なのだ。


櫂の祖父、1942年3月25日の手紙より抜粋。















「これ鍵とか必要じゃないですか?」

大広間を出て廊下を真っ直ぐに進み玄関ホームを通り過ぎてまた真っ直ぐ行った所にその場所はあった。
固く閉ざされており鉄壁の重い扉が目の前にある。持っていたランプを翳して見るとと南京錠が掛かっている。

「貰いに戻るか…」
「えぇ!そんな面倒臭いのヤですよ、ここまでくるのに20分掛かったじゃないですか!」
「安心しろ、取りに戻るのはお前だ」
「この鉄扉に頭ぶつけて脳みそ掻き出してあげますよ」

本当、しょうもない事で言い争いになる二人。一体いくつだろうか、いい歳して子供みたいな喧嘩ばかりをしている。
と、ごそごそとずっとポケットを弄っていたアイムはやっと見付けたかのように取出し騒ぐ二人を通り超し、南京錠に鍵を回した。

「二人共、いきますよ?」
「「……何故鍵を持ってる(んですか)」」
「カリンさんが渡してくれました」

にこり、と笑うとカリンが光凛の盾ごとくアイムを守る光景が二人に見えた。
……恐るべしあざといアイム……。

「いざ出陣です〜」
「何も見えませんね」

南京錠が掛かった重たいドアを開けると中は真っ暗で何も見えない。架耶が懐中電灯をポケットから取り出し付けたと同時にドスン!と盛大に落ちる音が聞こえた。

「いっ、たたたぁ…!」
「階段あったんですね、大丈夫ですか?」
「よく周りを見ろ」
「うぅ〜」

レントに手を引かれ立ち上がる。架耶が先に進み懐中電灯を辺りに当ててみた。壁についてあったスイッチを押してみたが電気はつかない。

「そういえば電気が通ってなかったんだったな」
「全く架耶はアホですね。僕はちゃんと覚えてましたよ」
「お前はどうでもいい事ばかりを覚えているよな」
「三歩歩いて忘れる架耶とは違います」
「それはお前だ」

また、と溜め息をついた。さすがに何度も見てれば呆れてくる。きっとアイムが止めても架耶もレントもまともに聞き入れないだろうと思い先に行くことにした。

「…はぁ。全く二人共ちっとも成長しないんだからっわぁ!!」

と、またもやドスン!!と盛大な音を立ててアイムは階段ではなく自分の足に躓いて転んだ。

「お前もな」
「君もです」

*****

カチコチ、カチコチ、と不規則にそれも四方八方から絶え間無く聞こえる。架耶が懐中電灯を当てればそこには時計、時計、時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計時計ばかりだ。数えるなんていう気力はない。むしろそんな思考は浮かんで来ない。

「そういえばどの時計を持っていけばいいのかな」
「どれでもいいんじゃないですか?気に入ったのがあれば」
「気に入った、ってお前…此処にずっといる訳じゃないんだからな」
「君は馬鹿ですか。知ってますよその位」
「か、架耶くん抑えて!」

やれやれ、と手をあげて架耶を馬鹿にする態度をとるレントに架耶は手を慣らす。が、アイムはそれを何とか止めた。

「あれ?今何か足に当たった…?」

コツン、とアイムの足に何かがあたった。下を見ても暗くて見えない。架耶は懐中電灯をアイムの足元に当てた。そこにはきらりと光る何か銀色の長い棒のような物が……。

「何だろうこれ…?錆びてるし……」
「それにしても大きいですねそれ。何でしょう?まるで時計の針のような―――」
「おい、お前ら置いていくぞ」
「あっ、待って架耶くッぶし!」
「「お約束…」」

*****

一体どれ程歩いただろう。歩く度にガシャガシャと足に時計や部品があたる音がする。アイムは来た道を振り返って見て見たがそこはまるで知らない場所のようで。きっとこれで一人になったら迷子になってもう二度と戻れない気がした。

「か、架耶くん、どこまで行くの?」
「そーですよ。僕もう疲れました、もうこの際時計なら何でもいいじゃないですか」

「ねっ」とレントはアイムの方に振り向くと持っていたカメラでアイムを撮った。アイムが驚く中レントは「記念撮影ですよ」と笑い言った。思わず何のだろうと不思議に感じた。

「…此処には死者が出るんだったな」
「ステラさんはそう言っていたね」
「なら何故俺らを煽るようにああ言ったと思う?」
「むっ。架耶、君はもしかしてあの使用人達は僕達に謎を解きに行けと言った、とでも言いたいのですか」
「だとしたら?」

架耶は薄く笑った。懐中電灯をくるりと片手で回すと前に光をあてた。まだ現状を理解出来ていないアイムだけは頭にクエスチョンマークをつけている。
架耶が懐中電灯をあてた先には捩(ねじ)…薇(ぜんまい)…歯車…それが幾つも重なり不気味な音を立ててゆっくりと動いている。時計の動く音は聞こえず、ただゆっくりと歯車が動き響く。

「これ、って…?」
「此処が旧館…時計塔の本体とも言える場所だ」
「針のない…時計塔…」

それはその時だった。後ろから振り子時計が鳴ったかと思うと鳴らないはずの針のない時計塔から鐘の音が響いた。そして僕は見付けた。逸話の日記帳……悪夢の逸話を――。

















アイチ「……どうして…。ねぇ…その今更なんだけど、Episode1の最後の時…櫂くんと僕旧館の話をしたよね。あの時…振り子時計の音聞こえたけど、この振り子時計って針のない時計と関係あるの?」
カムイ「そうなんですか?俺振り子時計の音なんて聞こえなかったですよ」
ミサキ「だってあんた死んでたじゃん」
カムイ「あっ」
櫂「そういえば聞こえたな。今俺らは旧館で俺を先頭に本体にたどり着いた、」
レン「と言うかそこに来て何をするつもりなんですか?謎を解くと言っても何一つ、カケラがありませんよ」
三和「だよな。てか俺ら出番なくないか…?」
レン「だってこの話はレンアイの話ですから」
櫂「な訳あるか!勝手に話を創るな」
レン「あっ。そういえばアイムくん撮ったあの写真貰えますかね?」
櫂「話しを反らすな!」
アイチ「か、櫂くん抑えて!」
ミサキ「何このデジャヴュ……」
カムイ「てかおいテメー!一体どうゆう事だよ、わざとアイチお兄さん達を追い出したのかよ!?」
スイコ「あら一体何の話?私はゲームに参加してる身、それは別に私の利益になることじゃないと思うけど?」
三和「相っ変わらず、難しいねぇちゃんだな…」
カムイ「うがぁ〜!!わっけわかんねぇー!!」
アイチ「えっと僕の質問…」
ミサキ「エミちゃん…?」

そこでミサキは話に加わらずただ俯くエミを心配そうに見た。どうしてその時エミは震えて今にも泣きそうだったのか。
それをミサキは見逃さなかった。








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