【Today is 04/01】 「あ、あの…三和くん?」 「ん?何だよアイチ」 気まずそうにしどろもどろになりながらアイチは言う。三和は不思議そうにアイチを見た 「えっと、ですね……少し離れてもらえたら……と」 「え、何で?」 「あぅ…」 がくり、とアイチはうなだれた。今日アイチは三和の家に来ていた。アイチと三和は一緒に三和が借りてきたDVDを見ているのだが、ソファーを背にし、三和はアイチに後ろから抱き着いていた。全くそこから動こうとせずにベタベタ状態だ 「やっぱり細いなぁ、ちゃんと食ってるか?」 「ひゃあ!?み、み三和くん!?」 腰の回りを撫で回す三和に身体をびくりと揺らした。逃げようにもがっちりと三和が後ろから抱き着いているため、逃げることが出来ない 「あはは、大丈夫か?」 「な、何が大丈夫か、なの三和くん!?」 「あー、そう怒るなって」 ぷいっと真っ赤になりながらアイチは頬を膨らませてそっぽを向いた。ご機嫌をどう取ろうか三和は悩んでいた 「アイチは本物にかわいいな」 「なっ!?いきなり何を…!」 「思ったままを言っただけだが?今日くらい許してくれよ。ほら、ハッピーバースデーって」 「…もぅ…三和くんは」 やれやれとばかりにため息をついた。4月1日、今日は三和の誕生日だ。そのためアイチは三和の誕生日を祝うために来ていた。しかしいつもとやる事が変わりない 「今日さ、本当は俺の家とかじゃなくてもっと楽しいトコ行こうと思ったんだけどさ、」 「うん」 「……こうしてアイチと一日中一緒にいるのもいいなと思ってよ」 ぎゅっとより強く抱きしめられた。アイチは抱きしめられた三和の腕に敵わないとばかりに疼くまった 「お、どうした?アイチ」 「……何でもないです」 「そっか。あ、こっち見ようぜ、本コワ」 「!!それは遠慮します!」 三和が見ようと、アイチにホラービデオを見せたが全力で拒否されてしまった ***** 「嫌だって言ったのに…」 「面白かったなー」 うっと涙目になりながらアイチは唸った。結局見ることになってしまったのだ。しかもスペシャルとして三時間。アイチの頭の中ではグルグルと恐怖映像ばかりが巡る。何度も逃げようとしたのにやはり三和が抱き着いていたため逃げれなかった 「アイチそろそろ風呂入るか?」 「……一緒に入る…」 「そう言うと思ってたぜ」 こんな怖いモノを見た後に一人になるなんて絶対無理だった。ましてやお風呂場などもっと無理だ。アイチの怖い場所ベスト10に入る場所だ ――――…ちゃぷん 「アイチ……その、嬉しいんだけどさぁ…」 「み、三和くんのせいなんだよ!?だから仕方ないの!」 「まだ何も言ってないけど……」 三和の家のお風呂はそこまで広いとはいえない。そのお風呂場でアイチは無理矢理三和の隣にいた 「出来れば向かい側にいて欲しいんだが……。どっちかと言えば乗っ「隣がいいの!」 「まぁ、いいけどよ」 三和と一緒にいれるのは嬉しい。自分達は恋人同士だから。一緒にお風呂に入るのだってこれが初めてというばかりではないがやはり恥ずかしかった。しかも自分から言ってしまったのだ、いくら一人で入るのが怖かったと言え……… 恥ずかしい……!! ちらりと三和を見れば目を閉じながら何かを歌っていた。髪が水に濡れて垂れ下がっていていつもとは違う、それに意外と三和はしっかりした身体つきだ ……どきどきする…、どうしよう今日は三和くんの誕生日でお祝いの言葉とか、ちゃんと考えてきたけど… 「大丈夫かアイチ?のぼせたか?」 「だ、大丈夫だよ!のぼせてなんか…!」 「顔真っ赤だが?」 「顔真っ赤でも!」 何処か不満そうに、そうか?と三和はそう言って立ち上がった 「頭、洗うか」 「う、うん」 ***** 「牛乳とオレンジジュースどっちがいい?」 「えと……じゃあ牛乳で」 「りょーかい!」 三和によると今日は三和の家族は皆いないようだ。父と母はどちらも共働きでほとんど家には帰って来ず、いつもいる姉は友人と二週間の旅行らしい。つまり今三和の家にいるのはアイチと三和の二人きりだ 結局頭…まで洗って貰っちゃってた。三和くんの手……気持ち良かったな…って僕は何を…! ―――コト、 「ほらよ、牛乳。っておいおい髪びしょ濡れじゃねぇか。ちゃんと乾かさねぇと風邪引くぞ」 「ふぇ!?あ…本当だ…」 指摘されて、アイチは自分の髪を触った。確かにびしょ濡れだ。自分ではちゃんと乾かしたと思っていたのだが……… 「ちょっと待てよ、ドライヤー、ドライヤー……お!あったあった」 ドライヤーを見付けた三和は取りに行った。そういえば、髪を乾かすときドライヤーを使ってたなぁ……と気付く いや使わされていたのかな…エミに…… 「ほら、こっちに来いよ」 「え……でも、悪いよ自分で、」 「出来ねぇだろ?」 「うっ……」 完全に図星を突かれた。どうやらアイチのことはお見通しだったらしい 「お願いします…」 「はいよ」 ゴォオオと風がアイチの髪に当たる。いつもアイチの髪は妹のエミが乾かしている。だから自分では髪が濡れていることに気付いていなかったのだ 「…ね、ねぇ三和くん…」 「ん?何だアイチ?」 「今日…その、僕といれて楽しかった?今日三和くんの誕生日なのに僕何もしてなくて……三和くんはいつも優しいから一緒にいれるだけでいいって言ってくれるけど……!」 と、アイチの言葉を三和の人差し指が塞いだ。アイチは三和の方に振り返る 「わかってんじゃねぇか。俺はアイチと一緒にいれるだけで幸せだってコト。好きな奴と一日中一緒にいて幸せじゃない奴が何処にいる?」 「三和く、ん」 かぁあ、と頬を赤く染めた。やっぱり敵わない、三和くんのことが……大好きなんだなぁ 「ほ、本当はね、プレゼントとか買おうと思ったんだけど…三和くんの好みとか僕全然知らなくて……!三和くんのこと好きなのに、だ、だから……目をつむっててくれないかな…?」 三和と向かい合わせになりアイチは服をぎゅっと握った 今、僕に出来ることはこれくらいだから―――…… 「ああ、いいぜ」 ふ、と三和は目を閉じた。早くなる鼓動を抑えながらアイチはゆっくりと顔を近付けた。そして―――― ちゅっ 小さな音。それは一瞬だった。アイチは三和の唇に自分の唇を重ね、すぐに離れた。三和はすぐに目を見開いた 「アイチ…?」 「僕は三和くんがす、好きだよ。誕生日プレゼントも持って来てないけど、僕は三和くんのだから……その……好きにして下さい…」 ボン!!と真っ赤になる。自分で言っておいてやはり恥ずかしいと顔を手で隠した。そんなアイチに三和は嬉しそうに笑った 「じゃあ、遠慮なく…」 「んっ!」 ぐいっと腕を引かれキスをされた。アイチの頭に三和は手を抑え、深く、舌を入れる 「ふ、ぅ…んっ…」 テレビも付けてない静かな部屋にアイチの漏れた声と舌が交じり合う音だけが響く 「ん、ふぁ、」 それに応えようとアイチも自分から伸ばした。三和の性急な動きに合わせようと頑張ってみるものの上手く出来ず息をするのがやってだった 「んッ…ぷ、はぁ」 「ん〜…アイチはまだまだだなぁ」 肩を上下にしながらぺたりと床に膝をつき、息をする。途端にふわりと身体が浮いた 「み、わ…くん…?」 「好きに、していいんだろ?」 三和に姫抱きをされ、いつもと同じようにニカリと笑った。アイチはさっき自分の言ったことを思い出してしまい真っ赤になった 「う、ん…。あ、あの…三和くん」 「何だアイチ?」 「お誕生日おめでとう」 アイチは笑った。それと同じように三和も嬉しそうに笑った もちろん次の日はまた三和の家に止まったのは言うまでもない 三和くんお誕生日おめでとうヽ(*^o^*)ノ そして趣味丸出しな三和アイ……。日常でいちゃいちゃしてて欲しいです。そしてちゅーしてる所が好きなんだと今更気付く(←) とにかくハピバ! ← |