櫂くんのご乱心2
櫂アイ
「三和くん、相談があるんだけど……」
深刻そうな表情でアイチはそう一言言った。カードキャピタルにはまだ櫂が来ておらず、思わず良かったと思った。ちなみに昨日アイチは家族で買い物に行っていたらしく櫂の入る隙がなくとても残念そうな顔をしながら登校してきた櫂を思い出した
「何だ?悩み事か?」
「うん…。あのね……」
カタンと三和の前の席に座った。深刻な表情をしたアイチに心配をする
「最近……僕、誰かにつけられているような気がして…。何て言うのかな、熱気?が凄くてあとは物凄く見られてる、って感があるんだけど…」
つまりそれはストーカーだ。犯罪だ。そしてそんな行動をするのは一人しかいない。しかも誰もが知る奴だ。三和は固まった。本当にあいつはぺろぺろしたいんだな、なんて軽いことでは済まされない。さてこれを一体どう相談に乗るか……
「僕、怖くて……」
「あー…えっと、なぁ…それは……」
まさか此処で堂々と「櫂だよ」なんて言えるわけがない。口が裂けても言えない。いや言いたくない
「えー……、あー…「アイチそれ本当なの!?」
と、途端にマイちゃんとカードファイトをしていたはずのエミちゃんが寄ってきた。エミちゃんは物凄いアイチ大好きな過保護なブラコ…兄思いの子だ。常にアイチの隣をキープし目を見張っている
「う、うん…」
「何でもっと早く言ってくれなかったの!?」
「心配掛けたくなかったから…ごめんねエミ」
「ア、アイチ…!!」
ときめいてる。物凄くアイチにときめいてる。なんだこれは、百合か?この先導姉妹もとい兄妹は。でもってその様子をミサキちゃんが物凄く羨ましそうな表情で見ているのだが…
「安心してアイチ!私がちゃんと始末するから!」
「始末?」
「始末!?」←三和
嬉しそうににこりと笑いエミちゃんは颯爽とカードキャピタルを出て行った。アイチは不思議そうに首を傾げている。俺はといえば………
「……まぁ仕方ないよな」
うん、と頷きせめてアイチの気を紛らわそうとカードの話しを持ち掛けた。案の定アイチは食いついてくれた。そして5分後に血に濡れたバットを爽やかに笑いながら持ち戻って来たエミちゃんに、ヤンデレフラグが立ったのは言うまでもない
ちなみに次の日頭に包帯を巻きながらまたアイチのパンツの話しをし始めた櫂にはあえて何も突っ込まなかった